rakumoの主なKPIや市場規模・業績推移をまとめてを解説

2022.09.13
rakumoの主なKPIや市場規模・業績推移をまとめてを解説

企業の事業状況を知るための方法としてKPIは有益ですが、企業によって適切なKPIは異なります。そのため、自社に適しているKPIが設定できているのかと悩んでしまう人もいますよね。KPIを設定する際には、自社と似た規模や業種、サービスの内容、ビジネスモデルの企業を参考にすると良いでしょう。

この記事では、rakumoが公開しているKPIについて詳しく紹介します。SaaS事業を展開しているrakumoの事業内容や今度の展開、主なKPIについて説明していくので、ぜひご覧ください。

rakumoの会社概要

会社名rakumo 株式会社
所在地本社〒102-0083 東京都千代田区麹町3-2 垣見麹町ビル6階
代表取締役社長 CEO 兼 COO御手洗 大祐
設立2004年12月17日
資本金385,260千円(2021年12月末現在)

rakumoの事業内容

rakumoが展開する事業は、主に以下の4つです。Google WorkspaceやSalesforceなどのクラウドサービスを拡張して生産性を高めるサービスを主力事業として提供しています。それに加えて、さらに仕事を楽しくするツールの提供を行っている他、製品開発をサポートする体制も整えています。

  • rakumo for Google Workspace
  • rakumo for Salesforce
  • Google デバイス
  • オフショア開発

それぞれの内容について見ていきましょう。

rakumo for Google Workspace

Google Workspaceは、Googleが提供する企業向けのグループウェアで社内のコミュニケーションを強化し、生産性を向上させるクラウドサービスです。gmailやGoogleカレンダー、Googleスライドやスプレッドシートといったオフィスアプリケーションなど、豊富なツールを利用できます。どこにいてもどの端末でも、高いセキュリティ環境の中でコラボレーションが可能です。

rakumo for Google Workspaceは、実際に企業がGoogle Workspaceを導入する際に足りない機能を補い、さらに使いやすくしてくれます。例えば、Google Workspaceではできない経費精算や勤怠管理などの機能を追加できるため、より効率的にビジネスを進められるでしょう。

rakumo for Salesforce

本機能は、Salesforceのカレンダーを拡張するソーシャルスケジューラーであり、商談などの情報をスケジュールに紐づけて表示します。Salesforoceを導入していない部門にも顧客訪問予定などが共有でき、全社横断的に情報を活用することが可能です。さらに、rakumo Syncを使うと、Googleカレンダーとリアルタイム同期もできるようになります。

カレンダーは日本企業の組織体系を考慮してデザインされており、個人でもグループ単位でもスケジュールを確認できて、社内の設備予約なども行えるのです。さらに、メンバーの日々の行動を定量的に可視化できることから、無駄な時間の削減や効率的な行動につながります。

Google デバイス

テレワークの利用推進や社内サーバーではなく、クラウドでのデータ保存の実現、セキュリティが強化された安価なPCの存在など、今やどこにいてもネット環境さえあれば個人でもチームでも作業を進めることが可能です。

そして、快適に作業を行うためのツールとして、便利なGoogleデバイスが用意されています。下記のようなデバイスを提供することによって、柔軟にスマートに働けるようにサポートしているのです。

製品名内容
Jamboardチームメンバー間のコラボ用デジタルホワイトボード
Google Meet ハードウェアビデオ会議用web会議システム
Chromebookクラウド利用に最適なノートPC

オフショア開発

製品開発のコスト削減や人材確保の解決策として、オフショア開発サポートを提供しています。これによって、海外に会社を設立せずに人材を確保して業務を進めることが可能です。また、受託開発を受注しており、エンジニアが要望に合わせた開発を行います。

rakumoの市場規模

引用:rakumo公式サイト

rakumoシリーズは、2,200社で導入されており、Google Workspaceを活用している企業にとってはなくてはならない存在といえます。2021年12月末時点で96万ライセンスが利用しており、ユーザー継続率は99%を維持しているなど、ユーザーからの利用度も満足度も高いサービスです。高い継続率を維持していることから、今後も利用されるサービスといえるでしょう。

rakumoの業績推移

2018年12月期2019年12月期2020年12月期2021年12月期
売上高(百万円)534664822963
営業利益(百万円)△924134227
当期純利益(百万円)△8△38125188

引用:2022年12月期第2四半期 決算説明資料

売上高は2018年以降順調に伸びており、2022年の通期予想でも11億円となっています。サービス別売上高の割合を見るとSaaSサービスが全体の85%を占めており、年々その比率を高めているようです。

引用:2022年12月期第2四半期 決算説明資料

また、営業利益も増加しており、順調に成長していることが分かります。営業利益率は昨年と同レベルになると予想されています。投資やM&A費用が要因で昨年より若干低いですが、今後のSaaSサービスの増加によって改善される見込みです。

今後の展開

rakumoは今後の成長施策として、以下のような項目に言及しています。基本的な方針は、顧客1人当たりの単価を上げ、新規販売先の拡大と1社当たりの販売数量の増加によって販売量を増やすことです。

  • ユーザー1人当たりの単価アップ
  • 販売先の増加と新規販売先の開拓
  • 1社当たりの販売数量アップ
  • 販売数量アップに加えて契約の継続
  • 新規プロダクトの開発

それぞれについて見てみましょう。

ユーザー1人当たりの単価アップ

rakumoでは、単価アップの増加を目的に以下の3つの施策を行うとしています。

  • クロスセルの実現

顧客の属性や利用動向を分析し、個別の顧客状況に合わせた情報の提供を行うことで既存顧客に新しい機能を販売します。

  • 販売パートナーとの協働

販売パートナーへのより深い情報提供により、パートナーの提案力を向上させます。例えば、製品の説明会やユーザー増の共有、セールストレーニングなどです。

  • 新規プロダクト開発

人事分野の新技術、Salesforce関連製品などより多くのクロスセルを可能にするプロダクトを開発します。

販売先の増加と新規販売先の開拓

この戦略を実現するための施策として、自社販売体制の強化と新しいマーケティング施策の実施、及び販売パートナーとの関係強化を挙げています。

中でも、新しいマーケティング施策として計画されているのは、マーケティングオートメーションの活用と認知度向上策の検討・実施です。また、パートナーとの関係強化施策としては、展示会やセミナーなど、パートナーの状況に合わせた対応を行うとともに、新規代理店開拓もしくは顧客開拓力のある新規パートナーと契約するとしています。

1社当たりの販売数量アップ

1社当たりの販売数量を増やすための戦略としては、下記の4つが挙げられます。

  • 全社導入に向けた提案
  • 追加サービス提案
  • 顧客規模に応じた販売戦略(中規模から大企業向け、中小企業向けなど)
  • 顧客のニーズを考慮したプロダクト開発

これらの4つを、プロダクト開発を通じた1社当たりの販売数量の増加を向上させるための主軸の販売戦略として掲げているようです。

販売数量アップに加えて契約の継続

既存顧客の状況を分析・把握し、継続更新率を向上させる取り組みを計画しています。例えば、GoogleやSalesforceなど既存の他企業との連携に加えて、新たにSlackなどとの新しい連携の実現、離脱する顧客の背景を分析することによる離脱率低減を図ります。

さらに、継続的に顧客に満足度調査を実施し、満足度向上の対策を取ることも言及されています。

新規プロダクトの開発

既存プロダクトの機能追加に加えて、中長期的な視点では新規プロダクトを生み出すことによるラインナップの強化を狙っています。新規プロダクトの例としては、人事分野におけるテクノロジー領域、Salesforceに関連する製品、データ活用を通じた新規サービスなどが挙げられています。

rakumoの主なKPI

最後に、SaaS事業を行っているrakumoの主要なKPIを見ていきましょう。SaaS事業では、安定的に収益を増加させるために、事業の状態を把握する目的で下記の3つのKPIに特に注目している企業が多いです。

  • MRR
  • チャーンレート
  • ユニットエコノミクス

それでは各KPIの特徴について詳しく見てみましょう。

MRR(Monthly Recurring Revenue:月間経常収益)

引用:2022年12月期第2四半期 決算説明資料

サブスクリプション型のビジネスモデルは、月単位で契約することが一般的なので、毎月定期的に発生する収益を表すMRRをチェックすることが大切です。MRRの計算式は、下記のようになります。

  • MRR = 顧客数 × 月間利用料金

rakumoはクラウドサービスのクライアント数を着実に伸ばしており、1社当たりの販売額の推移を見ると、継続的に増額していることが分かります。これは、追加のIDを契約したことやサービス追加によるものです。

MRRは顧客数と月間利用料金を掛け合わせた数値であるため、順調に増加していることが予測できます。

MRRについては、「SaaSの主要KPI【MRR】とは?概要や計算方法を分かりやすく解説」の記事をご参照ください。

チャーンレート

引用:2022年12月期第2四半期 決算説明資料

次にチャーンレート(Churn Rate)です。これは既存顧客の離脱状況を示す指標で、解約率として表されることも多いです。

rakumoは解約率を見ると、2018年以降低い水準で推移しており、近年は1%未満という極めて低い水準になっています。rakumoは、解約に至る顧客の調査を実施する、サポート体制を強化するなど、解約率の低減に向けた施策を実施しており、今後はさらに低減すると期待できるでしょう。

チャーンレートについては、「SaaSの主要KPI【チャーンレート】とは?種類や目安を解説」の記事からご覧いただけます。

ユニットエコノミクス

最後のKPIはユニットエコノミクスです。これは「1顧客当たりの経済性・採算性」を示す重要な指標で、下記のように求められます。

  • ユニットエコノミクス = LTV / CAC
  • LTV(顧客生涯価値) = 平均利用額 × 平均利用年数 × 粗利益率
  • CAC(顧客獲得コスト) = 顧客獲得コスト / 新規獲得顧客数

rakumoはユニットエコノミクスの数値を公表していませんが、LTVに関してはrakumoの公表データから平均利用額や平均利用年数は大きくなっていることが推測されるため、LTVも大きくなっていると予想できます。

一方のCACも、顧客獲得コストが不明で正確な値は分かりませんが、普通コストの増加よりも新規獲得顧客数の増加分が大きければCACは小さくなります。公表データからは顧客数の増加傾向が見えるため、CACは小さくなっていると考えられるでしょう。

これらの状況から、ユニットエコノミクスの値は大きくなっていると推測できます。

ユニットエコノミクスについては、「SaaSの主要KPIと【ユニットエコノミクス】とは?計算方法や目安を紹介」の記事で解説しています。

まとめ

働き方改革やコロナ禍による行動制限などの環境変化によって、既存の働き方の見直しがなされ、リモートワークの定着やオフィス環境・働き方の変化などが見られています。そのような環境の中で、rakumoのサービスは日本企業のニーズを捉え、着実に契約数を伸ばしている状況です。この社会的な変化とrakumoの製品に対する需要は、数年に渡って継続することが予想されます。

その中で、rakumoはKPIの指標で見ても良好なビジネス運営を行っていると推測できるでしょう。SaaS事業において、rakumoが注目しているようなKPIは事業の状況を把握するための基本となるので、ぜひ参考にしてみてください。

監修者

広瀬好伸
株式会社ビーワンカレッジ 代表取締役社長

プロフィール

京都大学経済学部卒、あずさ監査法⼈にてIPO準備や銀⾏監査に従事。
起業後、公認会計⼠・税理⼠として、上場企業役員、IPO、M&A、企業再⽣、社外CFOなどを通じて600社以上の事業に関わる。

公認会計士、 IPOコンサルタント、社外役員として計4度の上場を経験。
株式会社i-plug社外役員、株式会社NATTY SWANKY社外役員。

成長スピードの早い企業におけるKPIマネジメントやファイナンス、上場準備や上場後の予算管理精度の高度化といった経験を踏まえ、KPIのスペシャリストとして、日本初のKPIマネジメント特化SaaS「Scale Cloud」の開発・提供やコンサルティングに注力。
従来のマネジメント手法を飛躍的に進化させ、企業の事業拡大に貢献中。

講演実績

株式会社セールスフォース・ドットコム、株式会社ストライク、株式会社プロネクサス、株式会社i-plug、株式会社識学、株式会社ZUU、株式会社あしたのチーム、ジャフコグループ株式会社、トビラシステムズ株式会社、株式会社琉球アスティーダスポーツクラブなどの主催セミナー、日本スタートアップ支援協会などの経営者団体、HRカンファレンスなどのカンファレンス、関西フューチャーサミットなどのスタートアップイベントなどにおける講演やピッチも実績多数。

論文

『経営指標とKPI の融合による意思決定と行動の全体最適化』(人工知能学会 知識流通ネットワーク研究会)

特許

「組織の経営指標情報を、経営判断に関する項目に細分化し、項目同士の関連性を見つけて順位付けし、経営に重要な項目を見つけ出せる経営支援システム」(特許第6842627号)

アクセラレーションプログラム

OIH(大阪イノベーションハブ)を拠点として、有限責任監査法人トーマツ大阪事務所が運営するシードアクセラレーションプログラム「OSAP」採択。

取材実績

日本経済新聞、日経産業新聞、フジサンケイビジネスアイ、週刊ダイヤモンド、Startup Times、KANSAI STARTUP NEWSなど。

著書

『飲食店経営成功バイブル 1店舗から多店舗展開 23の失敗事例から学ぶ「お金」の壁の乗り越え方』(合同フォレスト)

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