経営管理システム・ツール7選を徹底比較!主な機能や選ぶコツも紹介
経営管理システムは、企業経営のマネジメントをサポートするシステムです。
企業経営では事前に設定した目標を達成する必要があり、そのためには会社が持つ経営資源を管理し、企業の成長基盤を構築しなければなりません。
その一方で、企業経営の複雑化によって経営資源の適切な管理は難しくなっています。そこで注目されているのが、経営管理システムです。
この記事では、経営管理システムの主な機能や選ぶコツ、おすすめのツール7選の特徴について詳しく紹介します。
経営管理システム・ツールとは
経営管理システムとは、企業が事業目標を達成するための経営管理を効率的かつ正確に行うためのシステムです。
導入することで企業が保有する莫大な情報を一元管理し、高度なIT技術を用いて情報管理ができるようになります。
また、収集した情報をもとに予実管理やデータ分析を行い、自社の経営状況や課題の可視化などができることも特徴です。
ここでは、そもそも経営管理とは何か、経験管理システム・ツールをどのような目的や理由で導入するかについて詳しく解説します。
経営管理とは
経営管理とは、企業を成功させるために効果的に運営し、持続的な成長や競争力を促進するためにヒト・モノ・カネなどの経営資源の配分や調整、管理などを行うことです。
企業活動によっては生産管理、販売管理、財務管理などに細分化されることもあります。
経営管理の目的は、事前に策定した戦略や事業計画に基づき、経営資源の運用を行って計画通りに事業を進めることです。
企業が持つ資源は有限で効率的な活用が必要となるため、中長期計画から年次・月次などの細かい計画に落とし込みながら、効率的に経営管理を行います。
また、もし計画通りに事業が進んでいないなら原因を把握して対策を講じ、経営管理のPDCAサイクルを回しながら軌道修正を図る必要があります。
経営管理システム・ツールの目的
経営管理システムを導入する目的は、情報の一元管理を行って効率よく経営管理を行うことや、経営状況を可視化して他部署と情報共有することです。
業務や作業ごとにファイルの形式や情報の管理方法が異なってしまうと、システム同士の連携がとれずに、データ収集や整合性の確認に多くの時間がかかってしまいます。
経営管理システム・ツールを導入することによって、ファイル形式や情報管理を一元化できるため、これらの課題を解決することが可能です。
複数の業務分野の情報を横断的に処理できるため、リアルタイムで経営状況をモニタリングし、経営資源を迅速に適切に配分できるようになります。
また、事業目標を達成するために必要なKPIを設定し、何か問題があったときに迅速に発見して対応するためにも、経営管理システムが欠かせません。
経営管理システム・ツールの主な機能
経営管理システムにはさまざまな機能が搭載されているため、自社が抱えている課題を把握したうえで、その課題を解決できるかどうかがポイントです。
ここでは、経営管理システム・ツールの主な機能を紹介します。
予算管理の機能
予算管理の機能とは、企業が目標とした予算と実績の比較や、目標に向けた活動の進捗管理を効率よく行うための機能です。
予算管理にかかる業務削減や時間短縮につながり、分析の精度を向上させて正確なプランを立てることができます。
また、データベースでの一元管理が可能となり、長年携わってきた特定のスキルを持つ担当者に依存しやすい予算管理も、システムの活用によって属人化の解消につながるでしょう。
データ分析機能
経営管理システムの中には、データ分析機能を搭載しているものもあります。
例えば、KPIを設定して運用する際に、実績の達成度や下落率、上昇率などを自動的に分析して、ランキング形式でレポートするような機能です。
KPIは企業の目標達成を実現するために欠かせない重要業績評価指標ですが、自動化させることで分析の手間を省きながら、人力では得ることが難しい消費者の購買行動や根拠、動機などを分析できます。
また、データ分析で得た情報やノウハウはデータベース化し、いつでも過去のノウハウを引き出して活用することも可能です。
ヒューマンエラーを防止して事業の効率化を図るためには、データ分析機能が搭載されているシステム・ツールを選びましょう。
経営予測機能
経営予測機能とは、過去の実績データの傾向から将来の予測値を自動でシミュレーションし、実績推移も考慮しながら改善シナリオをシミュレーションできる機能です。
経営予測機能で企業全体の現状を可視化し、業務課題を発見するとともに、改善点をいち早く見つけ出すことで早期に対策できます。
適切に経営判断をするためにも、経営予測管理機能が搭載されているシステム・ツールを選ぶことが大切です。
経営管理システム・ツール7選
ここからは、主な経営管理システム・ツールを7選紹介します。
Scale Cloud
Scale Cloudは、数字を軸にしたクラウドシステムとカスタマーサクセス支援で、組織全体のパフォーマンスや生産性を向上する経営管理システムです。
構造化された事業数値をもとに、事業全体の状況を誰でも簡単に多角的な分析ができます。
数字を基点にメンバー同士でコミュニケーションを取ったり、会議を促進したりすることもできるシステムです。
これまで積み上げてきた結果やノウハウはデータベース化し、検索していつでも好きなタイミングで取り出せることも強みといえます。
また、Scale CloudはKPI設計から運用までのトータルサポートを行っており、長年のノウハウや成功事例に基づいたKPIツリーの設計を支援しています。
さらに、今の計画のままだと年度の着地見込みがどうなるかも、ボタン一つで「〇〇の施策で△△のKPIがこれくらい改善されたらどうなるか」といった改善シナリオを予測できます。
無料デモ体験にも対応しているため、実際に機能や操作性を試してから導入を検討することも可能です。
bixid
bixidは、経営計画を自動作成するクラウド型の経営支援サービスです。
月次決算やキャッシュフローの把握、資金繰り対策、予実管理など多岐にわたる経営管理業務をサポートし、会計データを活用したレポート作成や分析・予測を行うことでアナログ業務からの脱却を図ります。
会計データを活用して高精度な利益計画や返済計画などを簡単に作成し、販売計画や借入金の返済計画、投資計画などもスピーディーに作成可能です。
毎月の経営状況が把握できるモニタリング機能も搭載されており、PL・BS・CFの状況をボックス図で表現して重要なポイントも一目でわかります。
タイムリーに経営状況を把握できるスマホアプリもあり、スマホ一つでいつでもどこでも経営数値の把握ができるのも特徴です。
DIGGLE
DIGGLEは、予算策定や見込管理、レポートなどの管理業務を一元化できる経営管理システムです。
属人的なExcel業務をなくして、スマートな予実管理を実現するクラウドサービスで、財務会計データと予算エクセルを統合することで業務にかかる手間を削減できます。
また、プロジェクトごとに予実管理ができる予算IDの機能が搭載されており、IDは自動で発番されることからマスター管理は不要です。
予約や実績データの集計、蓄積なども自動化されるため、誰でも簡単に管理ができて経営判断に活かすことができます。
KPIの管理表など事業部で取り入れている運用方法を大きく変えずに、スムーズなシステム化ができるのも特徴です。
Anaplan
Anaplanは、データの収集や検証、統合などの業務プロセスを構造化して自動化する経営管理システムです。
コネクテッドプランニングによってコミュニティとデータをつなぎ、意思決定しやすい環境を作ります。
日次、週次、月次、年次など、あらゆる時間軸で計画の立案が可能で、さらにBIツールを使ったスピーディーなデータ分析を実現します。
クラウドタイプのシステムとなるため、プラットフォーム上で作業することによって最新版や履歴管理がしやすいことも特徴です。
また、会計や営業、人事など独立した部署においても、Anaplanではこれらの業務を横断して分析できるため、それぞれの業務計画を一つにして分析できます。
Sactona
Sactonaは、経営管理を効率化するエンタープライズ向けの経営管理システムです。
Excelのインターフェースのまま入力や操作、出力が可能であるため、管理業務をExcelで行っていた企業は導入したあともスムーズな浸透が期待できます。また、数値データの集計やコメント、KPIなどの情報管理やダッシュボードで全体像を可視化できることも強みです。
入力されたデータはデータベースで自動集計し、さらに集計した結果はリアルタイムで確認ができます。
これまで手作業でしていたデータ収集や集計作業をツールで代替することで、原因の分析やアクションに時間を充てられるようになるでしょう。
ユーザーは10名から数千名までの規模に対応し、要件に合わせて柔軟に対応できます。
Loglass
Loglassは、予算や実績、見込みなど、社内の各所にある経営データを統合して可視化するクラウド型の経営管理システムです。
表計算ソフトや会計ソフトからワンクリックでデータを統合・反映でき、集計作業にかかる負担を減らし、予算策定や予実管理、管理会計のフローを仕組み化して効率化を図ります。
また、簡単な操作で組織や科目階層の変更を管理し、突発的に起こる組織再編や管理会計のルール変更にも柔軟に対応できます。
売上や利益、KPIなどの重要指標はBIダッシュボードで直感的に見える化し、財務シートで気になる部分はワンクリックで仕訳まで遡って把握できるのも特徴です。
多段階で複雑な配賦ルールにも対応し、正確なコストや利益をベースにした質の高い会議や議論をサポートします。
board
boardは、予算編成、BI、アナリティクスが統合された経営管理をワンストップで実現する経営管理システムです。
BIに加えて、予算編成や計画、予測、決算、財務連結、経営報告まで幅広くカバーしており、人員計画や人事のパフォーマンスを一元管理できます。
請求書の作成機能もあり、発注書の発行有無や入金状況などもリアルタイムでの把握が可能です。未請求件数を表示し、必要に応じてアラートメールを設定することで、請求漏れを防止し、入金確認が容易に行えます。
キャッシュフローの予測機能があり、人件費や家賃などの経費の目安が立てられることもboardの強みといえるでしょう。
経営管理システム・ツールを選ぶコツ
経営管理システム・ツールは数多くあるため、失敗しないように選ぶ必要があります。ここでは、経営管理システム・ツールを選ぶコツを紹介します。
予実管理に対応している
経営管理システム・ツールは、企業の予算と実績を管理する予実管理に対応しているものがおすすめです。
予実管理は企業が経営目標を達成するために欠かせないものであり、経営管理システムと連携することで、企業の予算に対して実績がどれくらい推移しているか簡単に把握できます。
また、部署を超えたデータの共有と情報がリアルタイムに更新されるなどの機能があれば、問題点にいち早く気づいて迅速な対応が可能になるでしょう。
Scale Cloudは予実管理にも対応しているため、予算に対してどれくらいの実績をあげているかを調べて改善を図ることもできます。
KPIに対応している
経営管理システムは、KPIの設定・管理ができるものを選ぶことをおすすめします。
KPIは、チームや個人が目標達成に向けて適切にプロセスが実行できているかどうかを定量的に評価するための指標で、最終目標を実現するために設定した中間目標数値です。
KPIはただ単に設定しただけでは効果が得られないため、達成に向けた具体的な施策の進捗状況を数値で管理しなければなりません。
経営管理システムでKPIの設定や管理ができれば、他部署とも連携しながらKPIの進捗状況を把握し、問題がないかもリアルタイムに把握できます。
Scale CloudはKPI設計と運用のサポートも行っており、PL(損益計算書)/BS(貸借対照表)/CF(キャッシュフロー計算書)の管理とそれに基づくKPIの一元管理も可能です。
他ツールと連携ができる
経営管理システムを選ぶときは、既存のツールと連携できるものを選ぶこともコツです。
例えば、経営管理にGoogleスプレッドやExcelなどの表計算ソフトを用いている場合は、連携によってこれまで積み上げてきた情報やデータを簡単に共有できます。
経営管理システムによって他ツールとの連携の可否や対応は異なるため、自社で使っているツールと連携できるものを選びましょう。
Scale CloudではGoogleスプレッドシートやSFAのセールスフォース、クラウド会計ソフトのfreee、マーケティングツールのHubSpotとの連携ができます。
まとめ
この記事では、経営管理システムの主な機能や選ぶコツ、おすすめを紹介しました。
経営管理システム・ツールは財務や人事、販売情報などを収集・集約し、効率よく経営分析を行うために欠かせないシステムです。
各部門のKPIなどを中心に経営状況の見える化を行ったり、各指標を数値管理することで中長期的な戦略や計画立案にも役立ちます。
数ある経営管理システムの中でも特におすすめするのはScale Cloudです。
Scale Cloudは数字を軸にして組織全体の連携と組織的なPDCAを促進する仕組みを提供し、パフォーマンスを最大化して事業成長を加速させます。
無料デモ体験も行っており、実際の管理画面や機能、使い方などをチェックしたうえで導入の検討ができます。
事業の効率化のためにも、ぜひお気軽にお問い合わせください。
監修者
広瀬好伸
株式会社Scale Cloud 代表取締役社長
プロフィール
京都大学経済学部卒、あずさ監査法⼈にてIPO準備や銀⾏監査に従事。
起業後、公認会計⼠・税理⼠として、上場企業役員、IPO、M&A、企業再⽣、社外CFOなどを通じて800社以上の事業に関わる。
公認会計士、 IPOコンサルタント、社外役員として計4度の上場を経験。株式会社i-plug社外役員、株式会社NATTY SWANKYホールディングス社外役員。
成長スピードの早い企業におけるKPIマネジメントやファイナンス、上場準備や上場後の予算管理精度の高度化といった経験を踏まえ、KPIのスペシャリストとして、日本初のKPIマネジメント特化SaaS「Scale Cloud」の開発・提供やコンサルティングに注力。
従来のマネジメント手法を飛躍的に進化させ、企業の事業拡大に貢献中。
講演実績
株式会社セールスフォース・ドットコム、株式会社ストライク、株式会社プロネクサス、株式会社i-plug、株式会社識学、株式会社ZUU、株式会社あしたのチーム、ジャフコグループ株式会社、トビラシステムズ株式会社、株式会社琉球アスティーダスポーツクラブなどの主催セミナー、日本スタートアップ支援協会などの経営者団体、HRカンファレンスなどのカンファレンス、関西フューチャーサミットなどのスタートアップイベントなどにおける講演やピッチも実績多数。
論文
特許
「組織の経営指標情報を、経営判断に関する項目に細分化し、項目同士の関連性を見つけて順位付けし、経営に重要な項目を見つけ出せる経営支援システム」(特許第6842627号)
アクセラレーションプログラム
OIH(大阪イノベーションハブ)を拠点として、有限責任監査法人トーマツ大阪事務所が運営するシードアクセラレーションプログラム「OSAP」採択。