勤怠管理SaaSを展開する「チームスピリット」のKPI
2021.03.03
株式会社チームスピリットとは
TeamSpiritは、勤怠管理や工数管理、経費精算などをひとつのツールで管理できるクラウドサービスです。日々のワークフローが完結するため、業務の効率化と透明化を実現しやすくなります。1,400社、28万人以上の顧客に利用されています。
決算情報
勤怠管理SaaSを展開する「チームスピリット」が、
2021年8月期第1四半期決算を発表しました。
- 売上高は前年比21.4%増の6.7億円
- 営業利益は60.8%増の7,127万円
かなり成長しています。
KPI
では、主要KPIを順に見ていきます。
契約ライセンス数
- 純増ライセンス数は12,259ライセンスで、約2,000ライセンスが第2四半期に期ずれしたものの概ね計画通りの進捗。
- 大企業向けは前年同期比+43.5%と大きく伸びて、全ライセンスのうち大企業向けが占める割合は46.0%と前年同期比+6.4ポイント。一方、競争環境の厳しい中堅・中小企業向けの成長率は鈍化傾向。
- リカーリングレベニューは前年同期比+26.2%の612百万円。
- 売上高に占めるリカーリングレベニュー比率は91.2%と安定した事業基盤を保持。
リカーリングレベニュー (※1)
※1 ある一定期間について繰り返し得られる経常収益のこと。初期費用やコンサルティング費用は含まれず、クラウドサービスなどの契約ベースのビジネスで用いられる指標。今回は年間ベース(Annual Recurring Revenue)のこと。単月ごとに見る指標はMonthly Recurring Revenueと呼ぶ。
ライセンスARRの推移
ライセンスARRは前年同期比+22.6%の22.6億円に積み上がった。
解約率
- 契約ライセンス数ベースのGross解約率(※2)は、0.03ポイント改善して0.64%と低水準を維持。
- 既存顧客からの追加契約も堅調に推移し、アップセルなどを加味したライセンスMRRベースのNet解約率(※3)は△0.59%で、ネガティブチャーン(※4)を継続。
※2 解約やプランダウンにより失った金額をベースとした解約率。月初のMRR(Monthly Recurring Revenue:月次収益)でその月に失ったMRRを割って算出する。
※3 解約やプランダウンにより失った金額と、プランアップやクロスセルにより拡大した金額を合算し、それを月初のMRRで割った解約率のこと。
※4 Net解約率がマイナスとなった状態。つまり、解約による収益の減少をアップセルやクロスセル等による収益が上回っている状態。
契約社数・ARPA(※5)
- 契約社数は1,428社。中堅・中小企業向けの新規導入ペースが鈍化傾向。
- ARPA(1社あたりのライセンスMRR)は、大企業向けの契約増加により131千円となって持続的に上昇。
※5 Average Revenue per Account の頭文字をとったもので、1アカウントあたりの平均売上を示す指標のこと。売上÷アカウント数で計算。似た指標として、1ユーザーあたりの平均売上を示すARPU(Average Revenue per User)がある。
以上、業績と主要KPIについてでした。
今回は、SaaSビジネスにおける主要KPIについて触れてきましたが、SaaSビジネスに限らず、いまやKPIの活用が常識化していっています。
これからのKPIマネジメントについては「KPI資料」にまとめましたので、気になるものがあればぜひ参考にしてください。
というKPIマネジメントがとても参考になると思います。
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監修者
広瀬好伸
株式会社Scale Cloud 代表取締役社長
プロフィール
京都大学経済学部卒、あずさ監査法⼈にてIPO準備や銀⾏監査に従事。
起業後、公認会計⼠・税理⼠として、上場企業役員、IPO、M&A、企業再⽣、社外CFOなどを通じて600社以上の事業に関わる。
公認会計士、 IPOコンサルタント、社外役員として計4度の上場を経験。
株式会社i-plug社外役員、株式会社NATTY SWANKY社外役員。
成長スピードの早い企業におけるKPIマネジメントやファイナンス、上場準備や上場後の予算管理精度の高度化といった経験を踏まえ、KPIのスペシャリストとして、日本初のKPIマネジメント特化SaaS「Scale Cloud」の開発・提供やコンサルティングに注力。
従来のマネジメント手法を飛躍的に進化させ、企業の事業拡大に貢献中。
講演実績
株式会社セールスフォース・ドットコム、株式会社ストライク、株式会社プロネクサス、株式会社i-plug、株式会社識学、株式会社ZUU、株式会社あしたのチーム、ジャフコグループ株式会社、トビラシステムズ株式会社、株式会社琉球アスティーダスポーツクラブなどの主催セミナー、日本スタートアップ支援協会などの経営者団体、HRカンファレンスなどのカンファレンス、関西フューチャーサミットなどのスタートアップイベントなどにおける講演やピッチも実績多数。
論文
特許
「組織の経営指標情報を、経営判断に関する項目に細分化し、項目同士の関連性を見つけて順位付けし、経営に重要な項目を見つけ出せる経営支援システム」(特許第6842627号)
アクセラレーションプログラム
OIH(大阪イノベーションハブ)を拠点として、有限責任監査法人トーマツ大阪事務所が運営するシードアクセラレーションプログラム「OSAP」採択。