【2024年最新】KPI管理ツール/システム23選!KPI設定のポイントや活用事例
KPIの導入を考えている、KPI設定をしているけど手間がかかってしまうという方の中には、KPI管理ツールを利用したいと考えている人も多いでしょう。
ここでは、KPI管理ツールとは何か、KPI管理ツールのメリットデメリット、KPI管理に役立つツールなどを解説していきます。
KPI管理ツールを導入したい、自社にあった管理ツールを選びたいという方は、ぜひ参考にしてみてください。
Scale Cloudでは、日本初のクラウド型KPI管理システムを提供しています。KPI設計から運用・定着までサポートいたします。
おすすめのKPI管理ツール/システム23選
- Scale Cloud
- Bitrix24
- Miro
- MIERU
- Analytica
- Quantee
- Srush
- KPI ツリーメーカー
- One人事[タレントマネジメント]
- MINAGINE人事評価システム
- 評価三味クラウド
- WAKUAS
- BizForecast HR
- Co:TEAM
- Wistant
- Goalous
- Resily
- スプレッドシート
- Excel
- Looker
- Tableau
- 日報アプリgamba!(ガンバ)
- DOMO
それぞれのツールの特徴を見ていきましょう。
KPI管理に特化したツール
ここでは、KPI管理に特化したツールを紹介します。
Scale Cloud
KPI管理に特化したツールで、カスタマイズ性の高いKPIツリーの作成が可能です。バラバラに管理されているKPIデータを自動で集約して統合できる、部署の壁を越えて企業全体で情報管理やデータ分析が可能、今現在特に優先すべきタスクが分かる、直感操作で利用しやすいなどのメリットがあります。
デメリットとしては、タブローやドーモなどのBIツールと比べると、グラフィカルにデータを表現するのが得意ではないという点が挙げられますので、注意してください。
また、Scale Cloudでは、KPI管理ツールのご契約の際にKPI設計から運用・定着までサポートが受けられます。
Scale Cloud をもっと詳しく知りたい方はこちらから!
Bitrix24
参照URL:Bitrix24公式サイト
Bitrix24はクラウドとオンプレミスのどちらでも使えるオープンソースのKPI管理ツールで、無料トライアル版もあります。
無料プランでもユーザー数無制限で、なおかつ5GBのクラウドストレージがついており、モバイルでのタスク管理も可能です。
時間追跡や出勤管理などの機能も搭載されており、見やすい個人や共有カレンダーも搭載されています。
CRMには顧客管理の機能も搭載されており、マーケティング自動化、カスタマーサポート、リード管理などを行うことも可能です。一方で機能が多く、直感的に操作がしにくい部分もあります。
Miro
参照URL:Miro公式サイト
Miroはプロジェクトの目標や戦略のために必要なKPI設定や、KPIツリーテンプレートを無料で配布しています。
他にも、アクションプラン、OKR、SMART目標など、さまざまな種類のテンプレートを配布していることも特徴です。
複数のメンバーが同時にテンプレートの編集を行い、アイデアの共有やコメント、付箋を通したコミュニケーションが可能です。
オンラインでKPIを設定できて外部ツールとの連携も可能ですが、無料会員の場合だと編集できるボードは3つまでとなっています。
MIERU
MIERUは設定した指標を可視化することで、業務の生産性を高めることを目的としたKPI管理ツールです。
ダッシュボードでは設定した指標の進捗や達成度をすぐに確認できて、その指標に対して誰がどのようなアクションを起こしたかも把握できます。
シンプルな画面と操作性で簡単なユーザー管理を強みとしており、ツールが苦手でも簡単に操作できることが魅力です。
一方で機能が多く運用サポート等はないため、慣れるまでには時間がかかる可能性もあります。
Analytica
参照URL:Analytica公式サイト
Analyticaはデータベースを使ってKPI管理している企業向けのサービスで、難しい操作は不要で簡単にKPI管理ができます。
ITビジネスで利用されるチャットソフトの『Slack』と連携しており、メッセージやチャートを組織内でリアルタイムに共有することも可能です。
無制限のダッシュボード管理に対応しており、速報や在庫、売上など自在に複数のダッシュボードが構築できます。
一方で、チュートリアルはあるものの、KPIの設計や運用サポートなどは充実しておらず、KPI管理の経験がないと運用は難しいです。
Quantee
参照URL:Quantee公式サイト
QuanteeはKPI管理に特化したマネジメントツールで、施策特有のKPIから現場で重視されるKPIまで一気通貫で管理できます。
組織別、施策別にダッシュボードに表示する指標を自由にカスタマイズし、達成度に色分けしながらモニタリング可能です。
メンバーやお店ごとの進捗状況や課題点が明確にできるため、チームのKPI/KGIから逆算して目標の割り当てができます。
しかし、機能が多いことから使いこなすことは難しく、組織規模が大きく管理が複雑化している大企業向けのツールです。
Srush
参照URL:Srush公式サイト
Srushは複雑なKPI管理を一元管理できるシステムで、誰でも簡単にノーコードでデータ基盤を構築して分析を始められます。
100種類以上のサービスとクリックだけで接続が可能となっており、設定後は自動で最新化されることも特徴です。
最新のクラウドデータウェアハウスを基盤にデータ加工ができて、さらに追加料金不要で最新のBIツールに接続してデータのダッシュボード化ができます。
しかし、導入事例の掲載は少なく、事前にAPI連携先の連携データや得られるデータ、情報を調べておく必要があります。
KPI ツリーメーカー
参照URL:KPI ツリーメーカー公式サイト
KPI ツリーメーカーはすべての機能を無料で使えるKPIツリーメーカーで、オンラインですぐにツリーの作成や計算ができます。
数値変更があればツリー全体に自動で計算を反映できるため、KPIに変更が生じたときも柔軟に対応できることもメリットです。
要素間の関係は足し算や掛け算から選べて、目標数値のシミュレーションやKPIになる要素の整理にも活用できます。
KPIをチーム間でリアルタイムで共有したり、KPI設計や運用のサポートを受けたりなどのサービスはありません。
KPIの管理機能が含まれている人事評価系ツール
ここでは、KPIの管理機能が含まれている人事評価系ツールを紹介します。KPI管理に特化したツールではないため、KPI管理に重点を置く場合は注意が必要です。
One人事[タレントマネジメント]
参照URL:One人事[タレントマネジメント]公式サイト
One人事[タレントマネジメント]は社員の能力を最大限に引き出し、組織の成果を高めるHR系ツールでKPI設定や人事評価をサポートします。
個人と組織の目標を一括管理し、それぞれの関連性を理解することで成果につながる目標を立てることが可能です。
また、人材育成や人材配置、スキル管理など人事業務を効率的にサポートし、労務や勤怠管理、給与計算にも連携できます。
MINAGINE人事評価システム
参照URL:MINAGINE人事評価システム公式サイト
MINAGINE人事評価システムは、KPI管理と人事評価を連携できる管理ツールで指標や情報はクラウドで管理されています。
初期設定の代行や評価シートの作成支援、運用向けコンサルティングもあり、専門知識がなくても簡単に運用を始められます。
カスタマイズできる評価項目や相対化&PDF化できる評価結果などもあり、人事評価のシステム構築にも役立つでしょう。
評価三味クラウド
参照URL:評価三味クラウド公式サイト
評価三味クラウドは、人事評価シートのテンプレートを組み合わせて使うシンプルさが特徴のKPI管理ツールです。
使用できるテンプレートには目標管理、能力評価、多面評価、自己申告シートの4種類があり、会社独自の評価基準に合わせたカスタマイズもできます。
デモサイトや無料お試しサービスなどもあるため、実際にツールを体験してみてから導入を検討することも可能です。
KPIの管理機能が含まれているHR系ツール
ここでは、KPIの管理機能が含まれているHR系ツールを紹介します。KPI管理に特化したツールではないため、KPI管理に重点を置く場合は注意が必要です。
WAKUAS
参照URL:WAKUAS公式サイト
WAKUASは個人の成長に着目し、個人の成長を促すことによって会社の目標を達成することを目的としたKPI管理ツールです。
常に目標を意識しながら課題をクリアし、フィードバックをもらい合ってチームが助け合う環境を作るサポートを行います。
1つのOKRに複数のオーナー設定が可能で、部門を越えた担当者間でも情報共有が可能です。
トップダウンで決められるのではなく、自分で決めた目標を常に持ち歩いて進捗を確認しながら行動できます。
しかし、機能が充実していることもあってカテゴリが多く、慣れるまでには時間がかかる可能性もあります。
BizForecast HR
参照URL:BizForecast HR公式サイト
BizForecast HRは、人事評価や目標管理を経営管理視点で活用できるHRツールで、エクセル形式のファイルを取り込んでKPI管理ができます。
エクセルに似ている画面で入力ができるため、エクセルでKPI管理してきた会社であれば新しい操作を覚える必要はほとんどありません。
エクセルで作っている目標管理シートや人事評価シートなどはそのまま活用可能で、給料管理を行うこともできます。
Co:TEAM
参照URL:Co:TEAM公式サイト
Co:TEAMは1on1やフィードバック面談、KPI管理、人事評価を繋ぎ、個人の成長と会社の成長を融合するパフォーマンス・マネジメントツールです。
評価に必要なあらゆる情報を1つのプラットフォームに集約し、人事評価時にさまざまなシステムやメモに点在する情報を効率よく集計して管理します。
目標が更新されると結果がチームに即時供給され、上司や同僚がリアルタイムのフィードバックを行い、目標に向けたモチベーション向上に貢献します。
Wistant
参照URL:wistant公式サイト
WistantはKPI管理から1on1支援までオールインワンで行うことができるビジネスツールで、属人化しやすいマネジメントの状態を6項目でスコア化します。
過去のデータとの比較も簡単に行うことができるため、組織の変化をみながらマネジメント改善のPDCAを迅速に回すことが可能です。
マネージャーにはメンバーボードが発行され、メンバー全員の状態や最適なマネジメントのアクションを簡単に確認できるメリットもあります。
Goalous
参照URL:Goalous公式サイト
Goalousは目標設定から業務共有、振り返りまで、メンバーの業務を見える化して組織力の向上を図るビジネスツールです。
リアルタイムにメンバーの業務内容と目標の進捗を把握できるため、日々の情報共有がスムーズになり、フィードバックの質も高まります。
また、設定した目標はオープンとなり、誰でもお互いの目標や進捗、業務内容が確認できるため、モチベーションの向上につなげることも可能です。
Resily
参照URL:Resily公式サイト
ResilyはOKRに特化したクラウドツールで、目標の設定から進捗管理、コミュニケーションまで1つのツールで完結できます。
ホーム画面に担当するOKRの進捗状況が一覧で表示されて、数値の更新は自動通知とガイド付きチェックインによるサポートがあることも特徴です。
また、ミーティングや1on1実施のサポートもあり、スケジューリングから会話内容の記録まで行い、マネージャーの業務負担を軽減します。
なお、OKRは60%~70%の達成度で成功とみなすフレームワークであり、KPIに比べると達成感が得にくく、モチベーションの低下につながることもあります。
KPIの管理ができるその他のシステム
ここでは、KPIの管理で使用されるその他のソフトやシステムを紹介します。
スプレッドシート
スプレッドシートはKPI管理にも利用可能です。新たに使い方などを説明する手間もなく使いやすい、数式を組めばデータ入力などがしやすい、社内で共有しやすい、Googleアカウントさえあれば無料で誰でも利用できるという魅力があります。
しかし、KPI管理に特化したツールではないため、KPIに関するサポートなどはあまり期待できません。
Excel
KPIの管理はシステムを使用せずにExcelで管理している企業も多く、追加費用がかからないことや新しい操作が不要になるメリットがあります。
一方でKPIの管理を行う際には通常の関数だけでなくマクロも必要となるため、求められるExcelのスキルは高いです。
また、Excelは同じシートに同時アクセスができないため、タイムラグが生じることやバージョンによって使える機能が変わってしまうケースもあります。
KPI管理を長く続けていると使用しているファイルが大きくなり、データが重たくなって作業速度が低下しやすい点にも注意が必要です。
Looker
参照URL:Looker公式サイト
Lookerは会社のデータ調査や共有、可視化を支援ツールで、KPI管理に必要なデータを統合・蓄積してデータ分析を行うことができます。
簡単な操作性と可視化データの外部ツール連携など柔軟性もあり、外部データベースと接続することも可能です。
これによってデータのアップロードやエクスポートを行わずに、データベースから直接データを抽出して分析ができます。
また、定期的なレポートの自動配信を行う機能もあり、時刻や頻度を指定してダッシュボードのレポートをメールで自動配信することも可能です。
一方で、要因分析や予測分析など高度な分析が必要となり、常に分析精度の向上に向けた取り組みを行う必要があります。
Tableau
参照URL:Tableau公式サイト
Tableauは、データ管理や分析、レポート作成などができるBIツールです。フィルタリングで簡単に必要なデータを取り出せる、分析内容に合わせたチャートタイプを使用すればデータがより分かりやすく見える化できる、サーバーの自動更新ができるなどのメリットがあります。
一方で、料金が高いのがデメリットです。お金にあまり余裕がない企業やこれからビジネスを立ち上げていきたいスタートアップ企業、個人で利用したい方などは、利用を躊躇してしまいかねません。
安い料金のツールを利用したい場合には、Tableauの利用は難しいでしょう。
日報アプリgamba!(ガンバ)
参照URL:日報アプリgamba!(ガンバ)公式サイト
日報アプリgamba!はスマートフォンとPCで使える日報アプリで、外出時も簡単に日報の作成や閲覧ができます。
KPI管理機能も搭載されており、翌期分のKPIを自動作成することや既存のKPIからコピーしてKPIを作成することも可能です。
KPIの実績値はExcelファイルごとにダウンロードし、担当者ごとに集計されるため、手元で集計する際にも便利に使えます。
一方、KPIを登録して目標達成率を計測できるものの、それ以外の方法でデータを集計することはできません。
DOMO
参照URL:DOMO公式サイト
DOMOはさまざまなデータを統合して分析できる、BIツールです。拡張子や保存形式が異なるデータを一つにまとめて一元管理できる、管理しているデータを可視化して分析しやすくする、顧客が持つデータを統合できる、操作が簡単などのメリットがあります。
DOMOはマーケティングデータの集約にはあまり力を入れていないため、マーケティング業界や部門で使用したい、マーケティングにも活用したいという方には向いていません。また、DOMOのダッシュボードでのみ表示されるため、エクスポートなどができないというデメリットがあります。
そもそもKPI管理ツール/システムとは
KPI管理ツールやKPI管理システムは、データの一括管理や情報共有などが簡単にできる、KPIを行っていく上で役立つツールです。
そもそもKPIとは、Key Performance Indicatorの略であり、日本語では「重要業績評価指標」と訳されます。KGIと呼ばれる企業の最終目標に至るまでのプロセスを指していて、簡単にいうと中間目標のようなものです。
「◯ヶ月以内に売上を◯円上げる」というのが最終目標(KGI)だとしたら、KPIは目標を達成するために必要な事項で、例としては「◯ヶ月以内に成約率◯%上げる」などが挙げられます。
KPI管理ツール/システムの活用事例
KPI管理ツールはさまざまな業種で用いられていますが、具体的な活用事例について『営業職』を事例に紹介します。
営業では最終的な売上がKGIに設定されやすく、達成するために以下のような要素がKPIになるでしょう。
なお、KGIとは最終的に達成すべき目標のことで、KPIはKGIを達成するための中間目標のようなものです。
- 新規契約数
- 成約率
- 商談化数
- 商談化率
- 商談数
- アポ率
- テレアポ数
Webからの問い合わせ件数これらは売上を出すために必要な要素であり、商談数が少なければ受注件数も減りますし、成約率が低ければ営業力が低いといえます。
KPI管理ツールでは、これらのKPIを複数設定して管理を行うことができ、それぞれの進捗状況をリアルタイムに把握可能です。
そのため、「商談数のKPIが達成できそうにないときはテレアポの件数を増やす」「成約率のKPIが達成できそうにないときは営業マンの研修を強化する」のような対策ができます。
KPI設定の重要性
KPIを設定すると、企業としての目標を社員に共有できるだけでなく、業務パフォーマンスの向上も望めます。
最終目標となるKGIを設定することで、そこに至るまでに必要なタスクや業務が明確化できれば、余計な業務に手をつける心配がなく無駄がありません。また、タスクの優先度が分かれば、社員もどの業務から手をつければ良いのかが理解できて、作業効率が上がります。
さらに、期限が厳しいタスクなどは部署を越えて協力していくなど、社員同士のコミュニケーションにもつながるでしょう。目標に向かって企業全体で協力していけば、社員のモチベーションも向上します。
KPI設定のポイント
KPI管理ツールについて紹介する前に、まずはKPI設定のポイントについて解説していきます。KPI管理ツールを使ったとしても、KPI設定がうまくいかなければ本末転倒です。
ここではまず、KPI設定のポイントについて4つ紹介していきます。
- 目的は明確で定量化できるものにする
- KPIは共有して全体の意識を統一
- KPIは単純で分かりやすくする
- KPIはKGIにつながるように設定する
各ポイントについて解説していくので、見ていきましょう。
目的は明確で定量化できるものにする
KPIを設定する際には、目的を明確で定量化できるものにする必要があります。例えば、「WEBサイトの訪問者数を上げる」というKPIだった場合、いつまでに行えばいいのか、どれくらい上げれば目標達成なのかといった部分が不明瞭で、社員もどこまで頑張れば良いのか分からずやる気をなくしてしまうでしょう。
KPIは、どれくらいの期間でどれだけの数値を上げるのかなど、期間と数値で明確に設定するようにしてください。目的がハッキリしていないと、個人による認識の違いなどから無駄な作業を行ってしまう可能性もあります。具体的かつ認識の違いが生まれない数値を設定するようにすると良いです。
KPIは共有して全体の意識を統一
KPIは社内で共有することに意味があります。経営層だけ目標を掲げていても、社員は何をすれば良いのか分かりません。
最終目標(KGI)は何か、KGIを達成するためにはどんなプロセス(KPI)で進めていけば良いのか、などを必ず社内で共有してください。
同じ目標に向かって企業全体で意識を統一しながら協力すれば、社員のモチベーションも向上しますし、社員同士の協力もしやすくなります。KPIは社内全体で共有するということを忘れないようにしましょう。
KPIは単純で分かりやすくする
KPIは社内全体で共有するため、全員が分かりやすいように設定しなければいけません。せっかく共有をしたのにKPIが理解できていない人が多いとなれば、設定した意味がないでしょう。
KPIは単純で分かりやすく、誰にでも理解できるようにしてください。前述の通り、個人によって解釈の違いが生まれる目標にならないように注意することも大切です。
すぐに理解できる目標でありながら、解釈の違いが生まれない具体的な数値で設定するのが、KPI設定のコツとなります。
KPIはKGIにつながるように設定する
KPIはあくまでも中間目標であり、最終的なゴールはKGIです。そのため、KPIを順番に達成していくとKGIに辿りつくように設定する必要があります。
KPI設定を行う際は、まずKGIを設定してください。最終目標が明確になったところで、そこまでの道筋となるKPIを検討します。KPIを設定したら、そのKPIの先にKGIがあるかを必ずチェックしましょう。
道筋をしっかり辿れているかを視覚的に分かりやすくするためには、KPIツリーの作成がおすすめです。KGIから枝分かれするようにKPIを表現してくれるため、しっかりと導線がつながっているかを確認しやすいというメリットがあります。
KPI管理ツール/システムのメリット・デメリット
KPI管理ツールは便利で使いやすいという魅力がありますが、メリットがあれば当然デメリットもあるでしょう。
ここでは、KPI管理ツールのメリットデメリットをそれぞれ分かりやすくまとめました。KPI管理ツールの導入を考えている方は、メリットデメリットを両方理解した上で、しっかりと検討してください。
メリット
KPI管理ツールのメリットは、主に以下の3つです。
- さまざまな媒体で保存されているデータを一括管理できる
- 必要なデータだけを抽出して分析できる
- データが簡単に可視化できる
- 社内でデータを共有できる
社内データはExcelやTxtなど、さまざまなフォーマットで保存されているというケースも多いですが、KPI管理ツールではそういったデータをまとめて、一元管理ができます。また、管理ツールの種類によってはExcelなどと連携できるため、新しくツールに入力しなおす必要がありません。
さらに、管理しているデータの中から「日付や期間で指定して検索する」など、必要な情報のみを抽出して分析することも可能です。データ管理やレポート作成などが行いやすくなり、作業を効率化できます。ツールを活用すれば、データのグラフ化なども簡単に行えて、情報を視覚化しやすいです。
また、データはリアルタイムで更新されるため、社内でデータを共有しやすく、部署に関係なくKPI管理に必要なデータを入手できます。
デメリット
KPI管理ツールのデメリットとしては、以下の3点が挙げられます。
- すぐに効果が得られるとは限らない
- データを生かしきれない可能性がある
- データの精度を確認する必要がある
KPI管理ツールを導入したからといって、すぐに効果が得られるわけではありません。データの管理や可視化をするのには役立ちますが、業務そのものの進行をサポートするわけではないので、業務は通常通り進めていく必要があります。
そもそもKPI自体がすぐに効果が現れるものではないので、管理ツールを導入したからといって、急激にKPIの効果が出始めるといったメリットはありません。
また、データの一括化や可視化ができても、データを利用する人が理解できていなければ、データを生かしきれないでしょう。データを分析するまでの過程をサポートしてくれますが、データを読み解くのは社員であるということを頭に入れておいてください。
また、管理ツールにデータを移行する際は、データの精度についても確認しておくと良いです。データが古いと分析しても高い精度は保証できないため、できるだけ最新の情報を手に入れておく必要があります。データを管理する際は、データの精度も確認しておきましょう。
KPI管理に役立つツールの種類
KPI管理のメリットデメリットについて紹介していきましたが、ここからはKPI管理に役立つツールの種類を3つ紹介します。
- エクセル・スプレッドシート
- BIツール
- SFA/CRM
それぞれのツールの特徴などを解説していくので、ぜひご覧ください。
エクセル(Excel)・スプレッドシート
普段から業務上で利用されることが多いExcelやスプレッドシートですが、KPI管理にも利用可能です。普段から使われているツールなので新しく使用方法などを覚える必要がなく、すぐに利用できるというのが大きなメリットでしょう。
KPI管理を行う際の数値入力や進捗率の計算などで数式が使えて、時間短縮ができるというのも魅力の1つです。
BIツール
BIツールはデータ分析などに特化したツールで、KPI管理をする際に便利な機能が数多く搭載されています。
ツールによって機能の違いなどはありますが、基本的にはKPIに関するデータなどを入力することで、データの可視化や分析がしやすくなるというのがメリットです。
さらに、進捗状況をリアルタイムで確認できる、Excelなどとデータの連携ができる、コミュニケーションツールと連携できるといった機能が搭載されているツールもあります。テンプレートが用意されているため、BIツールを使ったことがない人でも利用しやすいです。
KGIなどの他の指標に関するデータ管理も同時にしやすいといった点から、KPIそのものをこれから導入したいと思っている企業にもおすすめできます。
SFA/CRM
SFA(営業支援)ツールやCRM(顧客関係管理)ツールは基本的にマーケティングに活用されるもので、顧客情報管理などに適しています。そのため、営業職やマーケティング職でKPI管理を行いたいという場合に役立つでしょう。
SFAでは、顧客情報の一元管理や営業担当者ごとの案件管理、営業担当者の業務プロセスを見える化する行動管理などの機能が利用できます。
CRMはSFAと同様に顧客情報の一元管理ができる他、リスト化した顧客へのメールなどの配信機能、顧客からの問い合わせ内容の管理などが可能です。
社員の行動を把握することによる業務状況の共有、顧客リストの情報管理やデータ分析などが容易にできるようになるので、KPIも高い精度で行えるようになります。
KPI管理ツールの選び方
KPI管理ツールはいくつか種類がありますが、どのツールが自社に向いているのかが分からないと悩んでいる方もいるのではないでしょうか。
ここでは、KPI管理ツールの選び方について解説します。KPI管理ツールは、以下の4つのポイントに注目して選ぶと良いです。
- 課題を明確にし、目的に合ったツールを選ぶ
- 知識がなくても操作できるツールを選ぶ
- 数値がリアルタイムに計測できるツールを選ぶ
- データの振り返りがしやすいツールを選ぶ
各ポイントを解説していくので、ぜひご覧ください。
KPIのプロセスに沿ったシミュレーションがしやすい
KPI管理ツールは、KPIのプロセスに沿ってシミュレーションしやすいものを選びましょう。
例えば、Scale Cloudでは実績推移を踏まえながら「〇〇という施策によって△△のKPIが改善されたらどうなるか」といった、シナリオごとに今後をシミュレーションできます。
また、リアルタイムにシミュレーションができるため、施策でKPIの改善が見られないときも大きな損失が出る前に軌道修正が可能です。
KPIの運用サポートがある
KPI管理ツールを選ぶ場合は、KPIの運用サポートがあるものをおすすめします。
実際にKPI管理ツールを導入しても、「何をKPIにしたらいいか分からない」「自社が設定すべきKPIが分からない」のようになるケースも少なくありません。
せっかく導入しても効果が出なければ意味がないため、KPIの運用サポートもあるKPI管理ツールを選びましょう。
課題を明確にし、目的に合ったツールを選ぶ
KPI管理ツールを選ぶ際には、まず企業の目的や課題を明確にする必要があります。KPI管理ツールは、目標達成に向いているタイプと、人事制度を運営する際に役立つタイプがあるので、目的に合わせて選ぶと使いやすいでしょう。
目標達成用のツールでは、高い目標を達成するためのサポートをしてくれて、社員モチベーションの向上や能力を引き出してくれる効果が期待できます。
人事制度運営用のツールでは、社員データの管理や整理ができるだけでなく、人事評価なども行いやすくなるため、ツールを人事に役立てたいという場合におすすめです。
知識がなくても操作できるツールを選ぶ
KPIは社内全体で共有していく必要があるため、社員が使用しやすいツールでなければ、教育や研修に手間がかかってしまいます。そのため、直感的に操作できるようなデザインや仕様になっていることが重要です。
Excelやスプレッドシートなどは使い方を説明する手間がなくて簡単ですが、KPIに特化している訳ではないので、KPIに特化した管理ツールで使いやすいものを選ぶのもおすすめできます。
数値がリアルタイムに計測できるツールを選ぶ
KPIを行っていく上では、データの精度が重要です。古いデータや間違ったデータでは、KPIを設定するのが難しいですし、精度も下がってしまいます。そのため、KPIに必要な情報や数値をリアルタイムで計測できるツールを選ぶと良いです。
また、データの共有もリアルタイムで行えるものを選ぶと、社内共有も楽になります。 KPIに必要なデータや部署ごとの進捗状況などが、リアルタイムで誰でも見れるようになれば、KPI管理がさらに効率的に行えるようになるでしょう。
データの振り返りがしやすいツールを選ぶ
KPIでは、データの振り返りがしやすいかどうかというのも大切です。KPIでは今まで計測したデータや今まで実行したKPI管理に関するデータを参考にするケースも珍しくないので、データの振り返りがしやすいツールを選ぶと使いやすいでしょう。
また、データばかり豊富になっても必要な情報を見つけにくいため、必要なデータのみを絞り込んで表示できる機能がついているツールを選ぶと、よりKPI管理がしやすくなります。
情報を蓄積できるものを選ぶ
KPI管理ツールは、これまでのKPIや運用実績などの情報をデータベースに蓄積できて、簡単に引き出せるものを選びましょう。
KPIを設定していく中で、「このKPIは見覚えがある」ようなケースもあり、過去のKPI運用実績が役に立つこともあります。また、過去の運用状況や分析結果などもデータベースに蓄積できれば、今後新たに運用する際の参考にもなるでしょう。
KPIごとにノウハウをデータベース化し、検索していつでも過去のノウハウを引き出せるKPI管理ツールならKPI設計や運用にも役立つでしょう。
KPIツリーの設計ができるものを選ぶ
KPI管理ツールは、KPIツリーの設計ができるものを選びましょう。
KPIツリーとはKGIという組織や企業の目標を頂点とし、KGIを実現するために構成されたKPIとの関係性をツリーで表示して可視化したものです。
KPIツリーを設計することで、事業構造をKPIツリーでフォーマット化できるため、モニタリングすべきKPIやKPI同士の関係性が見やすくなります。
まとめ
KPI管理ツールは、KPIを行っていく上で必要なデータ管理や情報共有などが簡単にできるツールです。
KPI管理ツールを使うと、以下のようなメリットが得られます。
- さまざまな媒体で保存されているデータを一括管理できる
- 必要なデータだけを抽出して分析できる
- データが簡単に可視化できる
- 社内でデータを共有できる
KPIはアナログで行うこともできますが、より効率的に行うためにはKPI管理ツールの利用がおすすめです。
KPI管理ツールを選ぶ際には、企業の目的に合っているか、直感的に操作しやすいか、数値がリアルタイムで計測できるか、データの振り返りがしやすいかなどに注目して選ぶと良いでしょう。
KPI管理ツールの導入を検討している方は、記事を参考に自社に合ったツールを探してみてください。
Scale Cloudでは、各部署バラバラに管理されているKPIデータを自動で集約し、経営のボトルネックになっている部分を直感的に可視化することができます。
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監修者
広瀬好伸
株式会社Scale Cloud 代表取締役社長
プロフィール
京都大学経済学部卒、あずさ監査法⼈にてIPO準備や銀⾏監査に従事。
起業後、公認会計⼠・税理⼠として、上場企業役員、IPO、M&A、企業再⽣、社外CFOなどを通じて800社以上の事業に関わる。
公認会計士、 IPOコンサルタント、社外役員として計4度の上場を経験。株式会社i-plug社外役員、株式会社NATTY SWANKYホールディングス社外役員。
成長スピードの早い企業におけるKPIマネジメントやファイナンス、上場準備や上場後の予算管理精度の高度化といった経験を踏まえ、KPIのスペシャリストとして、日本初のKPIマネジメント特化SaaS「Scale Cloud」の開発・提供やコンサルティングに注力。
従来のマネジメント手法を飛躍的に進化させ、企業の事業拡大に貢献中。
講演実績
株式会社セールスフォース・ドットコム、株式会社ストライク、株式会社プロネクサス、株式会社i-plug、株式会社識学、株式会社ZUU、株式会社あしたのチーム、ジャフコグループ株式会社、トビラシステムズ株式会社、株式会社琉球アスティーダスポーツクラブなどの主催セミナー、日本スタートアップ支援協会などの経営者団体、HRカンファレンスなどのカンファレンス、関西フューチャーサミットなどのスタートアップイベントなどにおける講演やピッチも実績多数。
論文
特許
「組織の経営指標情報を、経営判断に関する項目に細分化し、項目同士の関連性を見つけて順位付けし、経営に重要な項目を見つけ出せる経営支援システム」(特許第6842627号)
アクセラレーションプログラム
OIH(大阪イノベーションハブ)を拠点として、有限責任監査法人トーマツ大阪事務所が運営するシードアクセラレーションプログラム「OSAP」採択。