エクセル(Excel)でKPI管理をするメリット・デメリットを解説|おすすめのツールは?
企業が掲げる目標を達成するために重要な指標として「KPI」が挙げられます。「KPI」は目標達成までのプロセスが適切なものかを確認する指標として知られていますが、実際にKPI管理をどのように行っていけば良いのか悩んでいる人も少なくないでしょう。
その中には、会社ですでに導入しているエクセル(Excel)を使用してKPI管理を行いたいという人もいますよね。そういった方のために、今回はExcelを用いたKPI管理のメリットデメリットについて詳しく解説していきます。自社のKPI管理を見直したいという方は、ぜひ参考にしてみてください。
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KPIとは
KPIとは「Key Performance Indicator」を略した言葉で、日本語では「重要業績評価指標」と訳されます。この指標は、企業が目標を達成するためのプロセスが適切なものかを確認するための指標です。
KPIを測定することで目標達成に向けたパフォーマンスの動向を把握できるようになり、目標から離れてしまっている場合には、早期に対応することが可能です。KPIの設定の例として、営業活動なら訪問件数や受注件数などが挙げられます。
また、KPIと似た指標にKGIがあります。KGIとは「Key Goal Indicator」を略した言葉で、日本語では「重要目標達成指標」と訳されます。KPIは目標達成までの過程を表しているのに対して、KGIは最終目標が達成されているかを測定する指標です。
上記のKPIとKGIはセットで使われる場合がほとんどで、実際に設定する場合の具体例としては、下記のようになります。
KGI 「年間売上を前年対比150%アップする」
KPI 「月間の受注件数を10件増加する」
KGIは大きな目標が設定される場合が多いため、日常的にKPIを積み重ねていくことが大切になってくるのです。
KPI管理の重要性
企業が業務目標を達成する上で、KPIを適切に管理することは必要不可欠とされています。KPIを管理することで、最終目標を達成するために次にどのような過程を踏むと良いかが明確となり、従業員のモチベーションも保ちやすくなるのです。
また、たとえ設定したKPIが達成できなかったとしても、具体的な数値が視覚化されていることで問題点を明確化できます。どのKPIが達成できていないのか、またどの程度達成に届いていないのか、どのようにすればリカバリーが可能なのかが具体的に理解できるでしょう。
実際にKPI管理を行う場合は、ExcelやKPI管理ツールなど、自社の環境に合わせたツールを用いながら効率良く測定を行っていきましょう。
KPI管理をエクセル(Excel)で行うメリット
KPI管理にはExcelを活用することができますが、「実際にExcelでKPI管理をするメリットはどのようなものがあるのか」と疑問を感じる方もいるでしょう。
ここからは、実際にExcelでKPI管理を行う場合のメリットを解説していきます。KPI管理をExcelで行うことによって、以下のようなメリットが得られます。
- 社内に導入しやすい
- コストが安い
- 数値入力や計算に数式が使える
社内に導入しやすい
Excelを利用する場合、すでに社内の端末に入っていることがほとんどで、社内に導入しやすいというメリットが挙げられます。
KPI管理以外の用途で使い慣れている社員が多いことから、実際に利用する場合もフォーマットを作成するだけですぐにでも使い始めることができるでしょう。
コストが安い
専用のツールを導入する場合、導入費用や年間の利用コストが掛かることがほとんどです。しかし、Excelを利用すれば導入コストが抑えられるでしょう。
しかし、専用のツールのほうがKPIの管理に適した機能が搭載されているため、事業規模が小さい間はExcelでKPI管理を行い、Excelでの管理が難しくなってきたと感じたときに有償のKPI管理ツールの導入を検討してみるのがおすすめです。
数値入力や計算に数式が使える
Excelは、計算式や数式を入力すれば自動で計算結果が算出されます。自動的に算出できる数値などを計算で自動化してしまうことで、必要最低限の入力でKPI管理が可能です。
また、Excelの数式については、すでにある程度の知識を持っている人も多いため、新たに教育する手間が少なく、もしトラブルがあっても社内で対処しやすいというメリットも挙げられます。
KPI管理をエクセル(Excel)で行うデメリット
ExcelでKPI管理を行うメリットについて確認したところで、ここからはKPI管理にExcelを利用することによるデメリットを見ていきましょう。
具体的には、以下のようなデメリットが挙げられます。
- データ容量が多いと重くなる
- 複数人で同時に編集できない
- バージョンごとに機能に違いがある
- メンテナンスが大変
ExcelでKPI管理を行いたいという人は、デメリットまで把握した上で活用を検討しましょう。
データ容量が多いと重くなる
Excelはデータ容量が増えてくると、処理動作が重くなってしまいます。データベースに大量のデータが蓄積された状態で、VLOOKUPなどの広範囲に作用する関数を用いた場合、企業で事務用途として導入しているパソコンでは処理に時間が掛かることもあるでしょう。
その結果、効率的なKPI管理を目的としたExcel管理が裏目に出て、逆に作業効率を落とす結果となってしまうのです。
複数人で同時に編集できない
KPI管理を行う際には、複数人でファイルを管理する場面も出てくるでしょう。しかし、Excelの場合は、同じシートに同時にアクセスして編集を行うことができません。そのため、複数人がデータ入力を行いたいのであれば、現在の入力者の作業が終了するまで待つ必要があります。
また、前回の入力者がファイルを開いたまま外出してしまうと、他の使用者は入力者が戻るまで入力ができません。上記の点から、Excelファイルを複数人管理する場合、迅速に入力を終わらせ、入力後はすぐに閉じるのを意識しなければいけないでしょう。
このようなことが続くと、待機者の時間をロスしてしまうだけではなく、作業者にも不要なミスが増える原因になってしまう可能性もあります。複数人で同時で作業をするのであれば、KPI管理ツールを活用したほうが良いでしょう。
バージョンごとに機能に違いがある
Excelは3年ごとにバージョンの更新があるため、その機能の違いによる不具合が発生してしまうケースがあります。
これはサブスクリプションサービスである「Office365」を利用すれば解消できますが、ある程度まとまった台数を同時に導入する必要がある企業では、あまり現実的とはいえません。もちろんバージョン間に一定の互換性はありますが、最新バージョンでのみ実装されている関数やマクロを使用した場合は、旧バージョンではどうしてもエラーや齟齬が発生してしまいます。
こうしたバージョン間の機能の違いが、作業の効率化を妨げる結果になってしまうのです。
メンテナンスが大変
ExcelでKPI管理をする場合、まずは担当者がマクロや数式を設定します。しかし、そうすると環境構築に関する部分が属人化してしまい、内容を変更する際のメンテナンスが難しくなってしまう傾向があります。
入力作業を簡略化するために、知識のある担当者が高度な設定を行っているケースは少なくありませんが、設定が複雑であるほど、それにともなってメンテナンスが複雑化する場合がほとんどです。
その結果、後任者が引き継ぐ際に、別のシートの作成や新たなツールの導入を行わなければならないこともあるでしょう。引継ぎやメンテナンスが複雑になってしまうというのも、ExcelでKPI管理を行うデメリットの1つです。KPI管理をエクセル(Excel)で行う際の問題点を改善するならツールがおすすめ
KPI管理を行う目的は、あくまで目標達成までのプロセスを管理することです。そのため、KPI管理自体に時間を取られてしまっては本末転倒といえます。
Excelでの管理が難しくなってきたと感じたら、専用のKPI管理ツールの導入を検討してみてください。もちろん、Excelに比べてコストは掛かりますが、大幅な作業効率向上が見込めます。
ツールを導入することで得られるメリットには、以下のようなものがあります。
- データ共有がしやすい
- Excelとのデータの連携もできる
- データの分析や可視化がしやすい
- 他の指標に関するデータ管理も同時にできる
1つ1つの項目について、詳細を見ていきましょう。
データの共有がしやすい
KPI管理ツールを導入する1つ目のメリットとして、データ共有がしやすいことが挙げられます。KPI管理ツールで更新したデータはリアルタイムで更新されるため、異なる部署や拠点間でも簡単にデータの共有が可能です。
業務拡大にともなって、さまざまな地域に拠点を設置する場合なども遅延なく情報を共有することが可能です。万が一問題が起きた際も、素早く改善に取り掛かれるでしょう。Excelの場合はデータの共有に手間がかかるため、社内でKPI管理をするならKPI管理ツールを活用すると良いです。
Excelとのデータの連携もできる
2つ目のメリットは、Excelとのデータ連携が可能という点です。企業の規模が大きくなってくると、複数の拠点で別々にExcelシートを管理して、後からデータを統合するという状況になることもあるでしょう。
そのような状況でも、KPI管理ツールを新たに導入すれば、バラバラになったデータを一元管理できるようになります。
これは、KPI管理に関する作業工数を大きく削減することにつながるため、非常に大きなメリットといえるでしょう。「すでにExcelでKPIの管理を行っているけれどKPI管理ツールに移行したい」という場合も手間がかからないので、安心です。
データの分析や可視化がしやすい
3つ目のメリットとして、データの分析が可視化がしやすくなることが挙げられます。ツールを利用することで、多くのデータの中から必要なデータだけを抜き出して分析ができるようになります。
たとえば、「4〜5月までの○支店の営業データ」のみを抜き出してグラフ化、といった作業もすぐに実施できるため、経営会議などを開催する際にも非常に役立つ機能であるといえるでしょう。
KPI管理の目的である「目標達成のプロセスを評価」をするためには、必須の機能であると考えられます。
他の指標に関するデータ管理も同時にできる
4つ目のメリットとして、他の指標を同時に管理できる点が挙げられます。これは、KPI管理機能が「顧客管理システム」などの他の管理システムと一緒に利用できるケースが多いためです。
ツールごとに同時に管理できるデータは異なりますが、一部を取り上げると下記のようなものがあります。
- SFA(セールス・フォース・オートメーション)
営業向けの管理ツールであるSFAを用いることで、顧客情報や商談情報とリンクしたKPI管理が可能です。 - プロジェクト管理ツール
制作現場などで使用されることの多いプロジェクト管理ツールでは、KPI管理とともに作業量や生産性を管理することが可能です。 - BIツール
多くの業種でKPI管理として利用できる汎用性の高いツールであるBIツールでは、企業の業務データや市場データとリンクしたKPI管理が可能です。
自身の業種に合ったツールを使うことで、より実際の業務と連動したKPI管理を実現できるでしょう。Excelで複数のデータを管理すると、共有や管理が大変になってしまいますが、ツールを活用すればその心配もありません。
KPIをシステムやツールで管理したい方は下記の記事も御覧ください。
【2024年最新】KPI管理ツール/システム4選!KPI設定のポイントや活用事例
KPI管理ならScale Cloud
KPIの管理には、「Scale Cloud」の導入を検討してみてください。Scale Cloudは、効率的に運用できるクラウド型の組織マネジメントシステムです。
Excelなどではフォームの作成や入力、管理が難しいですが、Scale Cloudは円滑にKPI管理を行えるように設計されています。経営計画の作成、全社員への共有、進捗管理、問題点の抽出、計画修正のシミュレーションなどを容易に行うことが可能です。
その他にも、重要なKPIや異常なKPIを自動判定してダッシュボード上にグラフ化して表示するダッシュボード機能や、KPIツリーをロジックツリー化して部門横断的にKPI間の関係性を一覧して見やすく可視化するKPIツリー機能などが備わっています。
Scale Cloudのサービスについては、こちらの資料をご参照ください。
まとめ
当記事では、エクセル(Excel)でKPIを管理するメリットやデメリット、KPI管理ツールを利用するメリットについて解説させていただきました。
企業が掲げる目標を達成するためには、日々積み上げたKPIをきちんと管理して、よりよく業務を改善していく必要があります。
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監修者
広瀬好伸
株式会社Scale Cloud 代表取締役社長
プロフィール
京都大学経済学部卒、あずさ監査法⼈にてIPO準備や銀⾏監査に従事。
起業後、公認会計⼠・税理⼠として、上場企業役員、IPO、M&A、企業再⽣、社外CFOなどを通じて600社以上の事業に関わる。
公認会計士、 IPOコンサルタント、社外役員として計4度の上場を経験。
株式会社i-plug社外役員、株式会社NATTY SWANKY社外役員。
成長スピードの早い企業におけるKPIマネジメントやファイナンス、上場準備や上場後の予算管理精度の高度化といった経験を踏まえ、KPIのスペシャリストとして、日本初のKPIマネジメント特化SaaS「Scale Cloud」の開発・提供やコンサルティングに注力。
従来のマネジメント手法を飛躍的に進化させ、企業の事業拡大に貢献中。
講演実績
株式会社セールスフォース・ドットコム、株式会社ストライク、株式会社プロネクサス、株式会社i-plug、株式会社識学、株式会社ZUU、株式会社あしたのチーム、ジャフコグループ株式会社、トビラシステムズ株式会社、株式会社琉球アスティーダスポーツクラブなどの主催セミナー、日本スタートアップ支援協会などの経営者団体、HRカンファレンスなどのカンファレンス、関西フューチャーサミットなどのスタートアップイベントなどにおける講演やピッチも実績多数。
論文
特許
「組織の経営指標情報を、経営判断に関する項目に細分化し、項目同士の関連性を見つけて順位付けし、経営に重要な項目を見つけ出せる経営支援システム」(特許第6842627号)
アクセラレーションプログラム
OIH(大阪イノベーションハブ)を拠点として、有限責任監査法人トーマツ大阪事務所が運営するシードアクセラレーションプログラム「OSAP」採択。