予実管理をエクセル(Excel)でする方法は?そのメリット・デメリットと、予実管理を成功させるポイントを紹介
企業の成長や事業拡大には、予実管理が必要不可欠です。しかし、予実管理の方法が分からないという人もいるでしょう。
この記事では、ビジネスマンが普段から使い慣れている、エクセル(Excel)で予実管理をする方法を解説していきます。予実管理をエクセル(Excel)で行うメリットデメリットなども合わせて紹介していくので、ぜひ最後までご覧ください。
エクセル(Excel)で予実管理表を作成する方法
予実管理を紙で行っている企業も多数ありますが、近年ではペーパーレス化が進み、システムやエクセル(Excel)を活用して予実管理を行う企業が増えています。エクセル(Excel)であればすでに搭載されているパソコンが多いので、簡単に予実管理を実施することが可能です。この項目ではエクセル(Excel)で予実管理表を作成する方法について詳しく説明していきます。
必要な項目を入力
エクセル(Excel)で予実管理表を作成するためには、表の中に必要な項目を入力します。必要項目は企業によって異なりますが、基本的には予算・実績・差額などが挙げられるでしょう。
エクセル(Excel)で予実管理表を作成するためには、表の中に必要な項目を入力します。必要項目は企業によって異なりますが、基本的には予算・実績・差額などが挙げられるでしょう。
月ごとの数値を計算して予実を算出
表を作成したら、数値を入力していきましょう。月ごとの数値を計算して予実管理を算出するためには、実績の推移を毎月入力しなければいけません。
他の会計ソフトも一緒に活用すると、そちらに入力した推移状況をそのままエクセル(Excel)に貼り付けるだけで済むので、簡単に予実管理を行うことが可能です。
予実管理表を作成するときによく使う関数
ここでは、予実管理表を作成するときによく使う関数を紹介します。
IF関数
IF関数とは、指定した条件を満たしている場合と満たしていない場合で異なる値を表示することができる関数のことをいいます。
以下がIF関数の例です。
=IF(C1>D1, C1-D1, 0)
この関数では、C1がD1よりも値が大きい場合はその差額を表示し、そうでない場合は0と表示するようにできます。
予実管理においては、実績が予算内に収まっているか、予算オーバーしていないかなどの比較をする際に便利です。
SUM関数
SUM関数とは、集計を行う際に用いられる関数であり、予算や実績の合計値を出す際に使用できます。
以下がSUM関数の例です。
=SUM(A1:A10)
この関数では、A1からA10までの数値を合計することができます。単なる足し算のため、手動で計算することもできますが、関数を活用して自動化することで、予実管理にかかる手間を軽減します。
AVERAGE関数
AVERAGE関数とは、引数で指定したセルもしくはセルの範囲内にある数値の平均を計算するための関数です。
以下がAVERAGE関数の例です。
=AVERAGE(B1:B10)
この関数では、B1からB10までの範囲の平均値を計算します。
予実管理においては、予算と実績を比較する際に平均値を用いるケースも多く、この関数を活用すれば管理対象が多い場合でも瞬時に平均値を導きだすことが可能です。
COUNT関数
COUNT関数とは、指定された範囲から数値が含まれているセルの個数や引数リストに含まれる数値の個数を数えてくれる関数です。
以下がCOUNT関数の例です。
=COUNT(C1:C10)
この関数では、C1からC10までの範囲で含まれる数値の個数を導き出します。C1からC10の範囲内に数値が含まれているセルが5つ合った場合は、5と表示されます。
予実管理においては、KPI数値など、ビジネスの進捗状況を確認する際に便利です。
VLOOKUP関数
VLOOKUP関数とは、英語で垂直を意味する「Vertical」の「V」と探すを意味する「LOOKUP」を組み合わせた関数であり、指定した範囲のなかから特定のデータに対する数値を探し出してくれます。
以下がVLOOKUP関数の例です。
=VLOOKUP(A1, Table1, 2, FALSE)
この関数では、A1の値がTable1の1列目に存在している場合、その対応する2列目の値を表示させることができます。
予実管理においては、他のテーブルのデータを取得して表示させたい場合に役立ちます。
VLOOKUP関数の使い方は多岐にわたるため、参照したいデータや目的に合わせて関数を調整することが重要です。
ROUND関数
ROUND関数とは、指定した桁数まで表示するように、四捨五入するための関数です。
以下がROUND関数の例です。
=ROUND(A1, 2)
この関数では、A1の値を小数点以下2桁に丸めることができ、複雑な数値でも見やすいように整えることが可能です。
ROUND関数で桁数を0にした場合は、小数点以下第一位が四捨五入され、整数が表示されます。
ただし、VLOOKUP関数のように列を数値で直接表示する関数は、参照がずれるケースがあります。また、計算の回数が多い場合はファイル自体が重たくなる場合もあるため、使い方には注意が必要です。
予実管理をエクセル(Excel)で行うメリット
ここでは、予実管理をエクセル(Excel)で行うメリットを紹介します。
導入コストが最小限
予実管理を専用ツールで行う場合は、ツールの導入に相応のコストがかかりますが、エクセルであれば導入コストを最小限に抑えられます。
現在、多くの企業のパソコンにはすでにエクセルがインストールされているケースがほとんどであり、新たにライセンスや専用ソフトウェアを購入する必要がありません。
また、たとえ新たにエクセルを購入する場合でも、予実管理専用のツールに比べると安価なため、導入コストが負担になることはないでしょう。
馴染みあるツールで作業がしやすい
エクセルは予実管理だけではなく、企業で行われるさまざまな業務で利用されており、使ったことがあるという方も多いです。
エクセルを使い慣れている方であれば、予実管理表を作成するときでも今までの知識を生かせるため、新たに操作方法や仕組みを覚える必要がありません。
専用ツールを導入した場合は、使い方を従業員に周知し使い方を覚えるまでに時間がかかりますが、エクセルであれば、すぐに予実管理をはじめることができます。
自由にレイアウトをカスタマイズできる
予実管理表を作成する場合は、自社の業務や業態に合ったフォーマットで作成する必要があります。
エクセルであれば、比較的自由にレイアウトを決めたり編集できたりできるため、管理項目に変更があった場合でもすぐに対応することが可能です。
もし自社で1から予実管理表を作成するのが手間と感じる場合は、インターネット上に予実管理表のテンプレートが配布されているため、それを基に自社に合ったレイアウトに変更することもできます。
マクロやVBAが使える
予実管理表の作成や編集、管理などに伴う数値の入力を手間だと感じる方も少なくありません。
エクセルであれば、入力や操作を自動化できるマクロやVBAが使用できるため、手間を抑えつつ業務効率を向上させることが可能です。
マクロとは、プログラムを組んでエクセルの操作を自動化するための機能であり、VBAはマクロのプログラムを入力するためのプログラミング言語のことを指します。
VBAでプログラムを書くことで、自動化するためのマクロが動くというイメージです。
予実管理表を作成・管理するうえで繰り返し行われる操作をマクロで自動化することで、従業員の手間の軽減や作業時間の短縮につなげられます。
予実管理をエクセル(Excel)で行うデメリット
ここでは、予実管理をエクセル(Excel)で行うデメリットを紹介します。
ヒューマンエラーが発生しやすい
エクセルで予実管理表を作成する場合、必ず人の手によってデータの入力と管理が行われる性質上、ヒューマンエラーが発生しやすいです。
エクセルは、一度編集を確定してしまうと、元の状態に戻すのが困難なツールであり、万が一誤ったデータを上書きしてしまった場合は、後に重大なトラブルに発展するリスクがあります。
たとえば、誤ってマクロのプログラムを編集して機能しなくなったり不注意で誤ったデータを入力して予実管理表全体が間違った内容になってしまったりなどのトラブルが想定されます。
また、誤操作で予実管理表のデータを社外に送信してしまうというケースもあり、情報漏洩につながるリスクもあるため、エクセルを使用する際は注意が必要です。
同時に複数人で編集がしづらい
企業では、チームで業務を行っている場合が多く、エクセルで業務を管理するケースも少なくありません。
しかし、エクセルは同時に複数人で編集することが難しいツールであり、チームで行う業務や管理には向いていない可能性があります。
エクセルのファイルを複数人で編集をする場合は、データの整合性を確保するために、ファイルにロックをかけ、1人ずつファイルの編集をしなければなりません。
1人の従業員が編集作業をしている場合は、他の従業員はファイルを触ることができず、作業効率も落ちてしまいます。
また、ファイルの共有を行う場合でも一部の機能に制限がかかるケースもあるため、エクセルで共同編集をすることは難しいといえるでしょう。
本格的なデータ分析に向いていない
エクセルは膨大なデータの処理が苦手であり、入力するデータが多くなれば多くなるほど、動作が重たくなっていきます。
大企業の場合は、入力するデータ量や管理する項目が膨大になるケースも少なくありません。
たとえデータの入力ができたとしても、分析する際に動作が重たくなり、操作できるようになるまで時間がかかるため、作業効率や業務効率が著しく低下する可能性があります。
また、最悪の場合はパソコン自体がフリーズして再起動を余儀なくされることも考えられ、時間をかけて入力したデータが全て消えてしまう事態になりかねません。
管理する項目が多い場合や入力するデータが多い企業や部署では、エクセルによる予実管理は難しいといえるでしょう。
最新のデータがどれかわかりづらい
エクセルは導入コストが安かったりカスタマイズ性が高かったりなど、さまざまなメリットがありますが、誰が・どこで・どのようなデータをどのように管理しているかわからないという致命的な問題があります。
エクセルに記載されている数値は人によって入力されているため、必ずしも正しい数値であるとは限りません。
数値が間違っていると、誤った数値を見て誤った判断をしてしまったり誤った数値を外部(株主や監査法人など)に提出してしまったりなど、経営リスクに発展する恐れがあります。
日頃から注意しながら入力・管理すれば誤りが生じるリスクも抑えられますが、エクセルは人の手によって入力されていることには変わりなく、いつどこでミスが起こるかわかりません。
膨大なデータを管理する場合はミスが起こる可能性も高まるため、部署や管理項目が多い企業では予実管理に適した専用ツールを導入するのがおすすめです。
そもそも予実管理とは
企業が予算と実績を管理することを予実管理といいます。予算と実績を把握することで、企業が設定した経営目標を達成できるかある程度判断することが可能です。
目標の達成が難しそうな場合には、予実管理データを分析して問題点を透明化することで、改善に向けた取り組みを行いやすくなります。また、精度の高い予実管理を実行できれば、今後の事業展開・拡大に向けた資金調達や、企業の成長スピードの加速が期待できるでしょう。
予実管理とは|目的から実行方法、ポイントまで全て分かりやすく解説
予実管理が重要な理由
企業はサービスや商品を提供するために予算を設定し、それに向けて営業活動を行います。予実管理を行って定期的に予算を確認し、あとどのくらい実績を上げなければならないかなどの、具体的な数字を確認することが可能です。
ただ数字を確認するだけでなく、なぜ実績が伸び悩んでいるのか分析して改善を図ることで、予算達成に向けた計画につながります。逆に実績が良かった場合も、その原因を分析すれば次の実績につなげられるでしょう。
予実管理を行っていないと、こういった動きができず漠然とした状態で営業を続けなければいけません。そんな状態で企業を成長させるのは難しいです。社員も、具体的な数字で目標や進捗具合が見えていたほうがやりがいにつながるでしょう。
予実管理のやり方
ここでは、予実管理のやり方を紹介します。
予算を策定
予実管理を行う際は、まずはじめに予算の策定を行います。
予算の策定方法は大きく分けて、「トップダウン」と「ボトムアップ」の2種類です。
トップダウンとは、経営層が全体の売上目標を決定し、それを達成するために必要な予算を各部署ごとに作成するやり方です。
一方で、ボトムアップは各部署ごとに達成できる予算を決めて、それを企業全体の売上目標とするやり方です。
ほとんどの企業では、トップダウンとボトムアップを組み合わせて予算を決めているケースが多く、経営層が掲げた売上目標に対して各部署ごとに考えた予算を持ち寄り、組織全体で妥当な予算を決定するケースが多く見られます。
これから新たに予実管理をはじめる場合は、これまでの予算の決め方を前任者や経理部門などに確認してから行うと、最適な予算の策定ができるでしょう。
予実の差異を定期的に確認して分析
予実管理は予算を決めて終わりというわけではなく、定期的に予実の差を確認して分析しなければなりません。
予算と実績に差が生じている場合は、全体的な売上や利益だけではなく、項目ごとに細かく分類して原因を探すことが重要です。
たとえば、売上に対して経費の比率が大きい場合は、人件費を増やし過ぎてはいないか、広告費を使い過ぎてはいないかなど、経費の割合が大きくなっている原因を考えます。
ただし、経費が売上を上回る状況は必ずしも悪いというわけではなく、売上が上がっていて売上に対する経費の比率が上がっていなければ、売上を拡大するための必要な投資だったと判断できます。
経費が多くかかっているからといって必ず経費を削減をする必要はなく、売上の推移やそれに関連する経費を考慮しながら考えていくことが大切です。
分析結果を元に解決策を立案
予実の差が発生している原因を特定したあとは、それに対する対策を検討しましょう。
もし売上が予算よりも少ないのであれば、それをカバーする方法を考える、経費が予算より多くなっているのであれば、どうやって削減していくかなどを考えます。
場合によっては、そもそもの予算設定が現実的ではない、ミスで設定されているなどのケースもあり、当初の予算とは別に「予測(業績見込)」を立てて修正をすることも可能です。
年度初めに決める予算が完璧であることは少ないため、定期的に分析をして、その都度予測や業績見込を立てながらPDCAをまわしていくことが大切です。
エクセル(Excel)で予実管理をするときのポイント
ここでは、エクセル(Excel)で予実管理をするときのポイントを紹介します。
予算設定を明確にする
予実管理をする際は、予算設定を明確にすることが大切です。
予実管理では、設定した予算と実績が数字として表れることが特徴であり、データに基づいていない曖昧な予算を設定してしまうと、適切に予実管理をしているとはいえません。
たとえば、安易に達成できる予算設定をしてしまうと、それ以上の結果が見込めなくなります。反対に、予算設定を高くしすぎてしまうと、「どうせ無理でしょ」というようなモチベーション低下につながり、適切なデータ分析ができないまま終わってしまうことが想定されます。
予実管理は、自社の課題を抽出して対策していくための重要な施策のため、データに基づいた明確な予算を設定し、定期的に分析・改善していくことが大切です。
複雑に作りすぎない
予実管理表を複雑に作りすぎてしまうと、各データの比較や分析が困難になるため、可能な限り明瞭で分かりやすい内容やフォーマットで作成することが望ましいです。
もし膨大なデータを一つのテーブルに詰め込んでいる場合は、予算と実績が一目で比較検討できないため、入力するデータを減らしたりテーブルを分けたりなどすると見やすくなります。
比較したいデータは、可能な限り一つの画面に収まるように作成することを意識すれば、予算と実績の比較検討が円滑に行えるようになるはずです。
月次・年次で管理できるようにする
予実管理は、商品や部署ごとに月次や年次で分けて予算を立てることが重要です。
年間の予算は、前年度の実績を参考にしつつ、自社の方向性や成長目標に応じた数値にするのがおすすめです。現在参入している業界の動向や市場成長率、上場企業のIRなどを分析することで、適切な目標が立てられます。
年間予算を作成したあとは、それを達成するための月次予算を策定し、月次で予実管理を行います。月ごとの進捗を細かく把握することで、予算と実績の差異を早い段階で発見できるため、軌道修正もしやすくなるはずです。
比較しやすい形にする
予実管理では、前年の予算や実績、月ごとの進捗など、さまざまな要素を比較しながら行います。
そのため、予実管理表は予算と実績の差異がわかりやすいように、良い点と悪い点が一目で比較できるような表を作成することが理想です。
予実の比較では、悪い点にばかり目が向けられがちですが、良い方向で予実に差異が生じていることもあります。
なぜ良い方向に差異が生じたのか原因を分析することで、さらに良い結果を出すための施策が検討できるようになるため、予実管理表は可能な限り比較しやすい形にすることが大切です。
予実管理を成功させるコツ
ここでは、予実管理を成功させるためのコツを紹介します。
情報インフラを整備する
予実管理では、いかに最新の情報を予実管理表に反映していくかが重要になります。
情報収集に時間がかかったり予実の分析に時間がかかったりしていると、情報の鮮度がどんどん落ち、現場とのズレが生じる可能性があります。
ベストなタイミングで施策や改善策を打ち出し、目標に向けて実行に移していくためには、情報をフレッシュな状態で反映できる情報インフラの整備が必要不可欠です。
最新情報をすぐに反映して分析できるようにしておけば、たとえ差異が生じたとしても早い段階で修正できるようになります。
予実管理表の作成に時間をかけすぎない
予実管理表を作成する際は、表の作成や実績の集計など、さまざまな作業が発生するため、時間がかかることも珍しくありません。
しかし、予実管理表の作成に時間をかけすぎると、作成することが目標になってしまい、企業の課題の抽出と改善ができなくなってしまいます。
予実管理は、予算と実績の進捗状況を把握して差異の分析をすることが本来の目的のため、予実管理表を作成することに時間がかかりすぎては本末転倒です。
表の作成に時間がかかっている場合は、予算の策定方法や実績の収集方法、管理方法などを見直して効率化を図るようにしましょう。
ITツールを活用する
前述したように、エクセルで予実管理をすることは可能ですが、入力するデータ量や項目数によっては最適な手段ではないケースもあります。
複数人によるファイルの同時編集や膨大なデータ分析を効率的に行いたいのであれば、予実管理に適したITツールを活用することも一つの選択肢です。
ITツールはエクセルに比べて導入コストはかかりますが、データの収集や分析、報告書の作成などが効率的に行えるようになるため、予実管理表の作成にかかる時間や作成する従業員の負担を大きく軽減できる可能性があります。
予実管理に関するQ&A
これまで予実管理について解説してきましたが、まだ疑問が残るという人もいるでしょう。ここでは、予実管理に関するよくある質問にまとめてお答えしていきます。予実管理に関するよくある質問は以下の通りです。
- スプレッドシートで予実管理表を作成できる?
- 予実管理には必ず予実管理表の作成が必要?
- 予実管理で起こりやすい失敗は?
- 予実管理を効率的に行うには?
これまで予実管理で失敗した経験がある、今後予実管理を効率的に行いたいという方は、ぜひ参考にしてみましょう。
スプレッドシートで予実管理表を作成できる?
スプレッドシートは、Googleが提供する表計算ツールです。エクセル(Excel)とほぼ同じ機能を備えているため、スプレッドシートでも予実管理表を作成できます。
無料で利用できる、Googleアカウントを持っている人なら誰でも簡単に使えるといった点がメリットです。さらに、スプレッドシートは複数人で同時に編集することが可能なので、Excelよりもデータの共有がしやすいです。
しかし、スプレッドシートの設定によって作成した本人しか編集できない場合もある、Excelと同様にミスが起こりやすいなどのデメリットもあるので、注意してください。
予実管理には必ず予実管理表の作成が必要?
予実管理表の作成は必須というわけではありませんが、得られるメリットが大きいので、作成するのがおすすめです。
予実管理表を作ることで、予算と実績の現状を一目で確認できます。予実を可視化できれば、予実のズレを把握しやすく、企業の強みや弱点が見えやすくなるでしょう。新たな施策や対策を練ることにもつながります。また、数字や表として見えやすくなれば、社員のやりがいにもつながるため、予実管理表の作成をおすすめします。
予実管理で起こりやすい失敗は?
予実管理で失敗してしまう例としては、細かい差異を気にしすぎてしまう、目標を達成しやすいように予算を低く設定してしまうなどがあります。
予実のズレを管理することはもちろん大切ですが、まずは大きなズレから改善していくことが大切です。企業でできる業務には限りがあるので、優先順位を決めて改善を進めていきましょう。
また、目標を達成するために予算を低く設定する企業もありますが、それでは意味がありません。目標を達成することを重視しすぎていると、企業としての成長につながらないので、過去の実績やデータを参考に適切な予算を設定してください。
予実管理を効率的に行うにはシステムやツールの導入も!
予実管理を効率的に行うには、予実管理システムやツールを導入すると良いでしょう。エクセル(Excel)やスプレッドシートといった無料で使えるツールの活用も良いですが、企業自体が成長して事業規模が大きくなってきた場合は、これらのツールだけで精度の高い予実管理を行うことが難しくなってきます。
しかし、途中で使用ツールを変更すると、これまでのデータの移行や同期作業の手間がかかってしまい、かなり面倒です。導入コストはかかりますが、その分効果を発揮してくれる適切なシステム・ツールを活用しましょう。
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予実管理をスムーズに行うならScale Cloud
予実管理をスムーズに行うなら、Scale Cloudの活用を検討してみてください。Scale Cloudは、ビジネスのスケールアップを実現するクラウドシステムです。ここでは、Scale Cloudの特徴を解説していきます。
データの管理や共有が簡単
Scale Cloudでは、予実管理に関するデータを自動で集約・統合して一元管理することが可能です。リアルタイムで情報が更新されるため、部署を超えたデータの共有もしやすく、常に最新のデータを参考にしながら予実管理が行えます。
予実のズレがすぐに把握できてリカバリーしやすい
Scale Cloudはデータの可視化ができるので、予実のズレを把握しやすく、原因を一目で把握できます。原因が把握できればリカバリーもスムーズに進められて、無駄な作業を行うことなくすぐに改善アクションをとることが可能です。
直感操作で使いやすい
高度なスキルがなくても、誰でも簡単に使えるのも魅力の一つです。社内で導入する際に教育や研修をしなくても直感操作で使えるので、手間がかかりません。
また、エクセル(Excel)やスプレッドシートは定期的にデータ更新などのメンテナンスが必要ですが、Scale Cloudはシステム上で勝手にメンテナンスを行います。メンテナンスが必要ないというのも、企業にとってはメリットといえるでしょう。
多角的なデータ分析ができる
Scale Cloudは、予実管理とKPI管理ができることが特徴であり、設定したKPIごとに計画を立てることでPLやCFなどの予算や事業計画を自動で作成することが可能です。
また、事業や部署、サービスや担当者、拠点などの機能を柔軟に設定することもでき、機能ごとのデータ管理も行えます。
現状の計画で進んだ場合の年度の着地見込みもボタン一つで予測したり改善シナリオごとに予測したりできる機能も搭載されているため、誰でも簡単に多角的なデータ分析ができます。
まとめ
予実管理は、企業が予算と実績を管理することをいいます。予算と実績を把握できれば、企業が設定した経営目標をどの程度達成できているかを判断することが可能です。
Excelで予実管理を行う場合は、導入コストが低い、もともと操作方法を知っているので使いやすいといったメリットがあります。一方で、データの共有に時間がかかる、データの集計に時間がかかる、ミスが発生しやすいなどのデメリットもあるので注意が必要です。
企業自体が成長して事業規模が大きくなってきた場合は、Excelで精度の高い予実管理を行うのが難しくなってきます。途中で使用ツールを変更すると、データの移行などを行うのが大変になるので、できるだけ早めに予実管理のツールを導入しておくと良いでしょう。また、予実の精度をより向上させたいという方は下記資料もあわせて参考にしてください。
監修者
広瀬好伸
株式会社Scale Cloud 代表取締役社長
プロフィール
京都大学経済学部卒、あずさ監査法⼈にてIPO準備や銀⾏監査に従事。
起業後、公認会計⼠・税理⼠として、上場企業役員、IPO、M&A、企業再⽣、社外CFOなどを通じて800社以上の事業に関わる。
公認会計士、 IPOコンサルタント、社外役員として計4度の上場を経験。株式会社i-plug社外役員、株式会社NATTY SWANKYホールディングス社外役員。
成長スピードの早い企業におけるKPIマネジメントやファイナンス、上場準備や上場後の予算管理精度の高度化といった経験を踏まえ、KPIのスペシャリストとして、日本初のKPIマネジメント特化SaaS「Scale Cloud」の開発・提供やコンサルティングに注力。
従来のマネジメント手法を飛躍的に進化させ、企業の事業拡大に貢献中。
講演実績
株式会社セールスフォース・ドットコム、株式会社ストライク、株式会社プロネクサス、株式会社i-plug、株式会社識学、株式会社ZUU、株式会社あしたのチーム、ジャフコグループ株式会社、トビラシステムズ株式会社、株式会社琉球アスティーダスポーツクラブなどの主催セミナー、日本スタートアップ支援協会などの経営者団体、HRカンファレンスなどのカンファレンス、関西フューチャーサミットなどのスタートアップイベントなどにおける講演やピッチも実績多数。
論文
特許
「組織の経営指標情報を、経営判断に関する項目に細分化し、項目同士の関連性を見つけて順位付けし、経営に重要な項目を見つけ出せる経営支援システム」(特許第6842627号)
アクセラレーションプログラム
OIH(大阪イノベーションハブ)を拠点として、有限責任監査法人トーマツ大阪事務所が運営するシードアクセラレーションプログラム「OSAP」採択。