Chatworkの主なKPIは?今後の成長に重要なKPIを解説

2022.08.01
Chatworkの主なKPIは?今後の成長に重要なKPIを解説

Chatworkは、「すべての人に、一歩先の働き方を」をビジョンに、より「働く」時間を楽しくて創造的なものにできるものを生み出し続けている会社です。そんなChatworkでは、そのようなKPIを設定して業務を遂行しているのでしょうか。

この記事では、Chatworkの会社概要や事業内容などの基本的な情報とともに、主なKPIとKPIの管理についてを解説します。また、Chatworkが目指している目標なども紹介していくので、ぜひ参考にしてください。 

Chatworkの会社概要

会社名Chatwork株式会社
所在地東京オフィス〒105-0003東京都港区西新橋1-1-1 WeWork 日比谷FORT TOWER
代表取締役山本正喜
設立2004年11月11日(創業 : 2000年7月15日)
資本金2,536,310,159円(2022年3月時点)

Chatworkの事業内容

Chatworkでは、事業として主に4つのサービスを提供しています。ここでは、Chatworkが展開しているサービスについて詳しく解説していくので、見ていきましょう。

  • Chatwork
  • Chatwork助成金診断
  • Chatwork電話代行
  • Chatwork早期入金

1つずつ、詳しく紹介していきます。

Chatwork

Chatworkは、ユーザー同士であれば社内外を問わずに誰とでもコミュニケーションを取れるツールです。社外の顧客とも簡単に連絡が取れるので、メールより気軽に連絡したいときに重宝されます。 

Chatworkでは、マイチャット・グループチャット・ダイレクトチャットなどの機能が使用可能です。マイチャットは自分専用のチャット機能であり、メモや自分自身のタスクを作成するときに役立ちます。新たにメモ帳やExcelなどを開かなくてもメモできるので、とても便利です。

また、グループチャットでは、複数人での情報共有や進捗状況の報告が行えます。そのため、部署ごとやチームごとでの情報共有を行いたい場合に最適です。グループチャット内でも、ファイル共有やタスクの作成・管理などが可能です。 

ダイレクトチャットでは他のユーザーと1対1でコミュニケーションを取れます。1対1でやりとりができるので、個人に情報を共有したい場合に便利です。なお、ビデオ・音声通話機能・タスク管理機能・ファイル共有機能も付いています。 

さらに、Chatworkは連携ツールも多いです。Googleカレンダー・Gmail・Twitterなどと連携できます。取引先と情報を共有したり、会議の日程を決めたりする際に使うと良いでしょう。 

Chatwork助成金診断 

Chatwork助成金診断は、自分の企業に最適な助成金の選定から申請の代行までを行うサービスです。受給可能な助成金を専門家が選んでくれるので、自分の企業に最適なものを選びたい企業におすすめです。 

また、Chatwork助成金診断では、申請の代行まで全てチャットで完結できます。そのため、面倒になりがちな事務手続きに時間を割かなくて済みます。Chatwork助成金診断をコンタクトに追加して簡単な質問に答えるだけで良いので、助成金の選定に慣れていない方でも安心です。

さらに、Chatwork助成金診断では、自分の企業の現状の受給確立や受給確立を高める方法も案内してくれます。なお、専門家に申請のサポートを依頼する場合は費用がかかりますが、診断自体は無料で行えるので、気負うことなく使いやすいのもポイントです。

Chatwork電話代行

Chatwork電話代行は、Chatwork株式会社と株式会社うるるが提携して行っているサービスです。オペレーターに相手の社名や要件などの必要な用件を伝えるだけで、相手のChatwork上に受電内容が通知してくれる仕組みです。 

月額基本料金1万円で100件まで対応できるため、電話対応にかかる人件費を大幅に削減できます。さらに、実際に電話が鳴るわけでないので、面倒な営業電話やすぐに対応が必要ではない電話に悩まされる機会を減らせます。 

また、届いた受電報告は複数人で確認できる他、Chatwork上に記録が残るので、後から確認したい場合にも便利です。なお、申し込み完了後は、当日から14日間の無料トライアルを利用できるため、まずはトライアルを利用して慣れていくのが良いでしょう。

Chatwork早期入金

Chatwork早期入金は、Chatwork株式会社とマネーフォワードケッサイ株式会社が行っているサービスです。売掛金の売却で資金調達を行うファクタリングサービスであり、Chatworkから簡単に申し込めます。 

売掛金を手っ取り早く資金化し、事業改善への投資や資金繰りの改善に役立てたい企業におすすめです。また、取引先の企業にファクタリングサービスの利用を知られることなく、安心して事業資金を受け取れます。そのため、後の取引に影響が出ないか心配な方でも利用しやすいです。 

さらに、Chatwork早期入金は、初回は5~10営業日ですが、2回目以降は最短2営業日で入金が可能になります。融資を待つより早く資金を調達できるので、できるだけ早く資金を得たい場合に便利です。

 手数料率の目安も業界最安水準の1~10%である他、請求段階だけでなく発注段階でも買取もできます。そのため、入金スピードと合わせて発注段階での買取を希望したい方にもおすすめです。

Chatworkの市場規模  

Chatwork株式会社の代表的なサービスであるChatworkは、導入社数354,000社を超えています。また、「BOXIL SaaS AWARD 2022」にて、「ランキング部門 コラボレーション部門賞」と「ベスト評価賞」を受賞しました。 

ビジネスチャットの普及は発展途上ですが、潜在市場規模が大きいマーケットなので、成長余地が極めて大きいといえます。

また、Chatworkは、新型コロナウイルスの拡大によるテレワークの定着化で生じた、情報共有の滞りやコミュニケーション不足の解決手段として多く用いられました。元々は社内向けとして開発されたものでしたが、今や民間企業だけでなく教育機関や官公庁などでも導入されており、その広がりは今後も続くと考えられます。 

さらに、場所に囚われない自由な働き方や、ハイブリットな業務体制を導入する企業が増えているのが現状です。Chatworkを活用すれば、場所を問わずにグループ会議やタスク管理ができるので、社内全体の業務の効率化を図れます。そのため、ビジネスシーンにおいて必要な機能が集約されたChatworkは、今後の市場規模の拡大も期待できるでしょう。

Chatworkの業績推移

2018/122019/122020/122021/12
売上高(百万円)1,301,8361,815,0792,424,3393,372,285
経常利益(百万円)△163,14662,343324,933△705,114
当期純利益(百万円)△110,80061,421208,206△696,188

引用:Chatwork 業績・財務情報

上記の図から、Chatworkでは2021年まで順調に業績を伸ばしているのが分かります。2022年のグラフはまだ完成していませんが、推移を見る限りでは2022年の売上高にも期待できるでしょう。

今後の展開

ここでは、Chatworkの今後の展開について解説します。現代は働き方の多様化が進んでいるので、Chatwork の需要はさらに高まっていくでしょう。なお、Chatworkでは、主に以下の4つの事柄を実践していくという展望を掲げています。 

  • 資金調達を実施
  • 「Chatworkスーパーアプリファンド」を本格的に展開
  • 首都圏でTV CM放映
  • 大幅な体制強化の実現

順番に見て行きましょう。

資金調達を実施

Chatworkは、2021年に海外募集による公募増資を実施しています。ABBという手法で約20億円を調達しました。なお、資金使途は、ビジネス版スーパーアプリの実現に向けたM&Aや資本提携、組織強化のための人件費・人材採用費などです。 

また、DXソリューション戦略やProduct-Led Growth 戦略などにも使う予定としています。Chatworkは中小企業におけるNo.1のポジションの確立を目標としているので、そのために必要な資金調達および海外機関投資家層の拡充に力を入れているのです。 

「Chatworkスーパーアプリファンド」を本格的に展開

Chatworkは、「Chatworkスーパーアプリファンド」を本格的に展開し、ユーザー送客からの収益のみならず、資本でもスーパーアプリの成長に取り組む計画を立てています。なお、Chatworkは中小企業を中心に大きなユーザー母数を持っているため、顧客群の中でも中小企業にとって価値のある事業を展開している方々との提携を考えています。 

首都圏でTV CM放映

Chatworkは、広告効果の結果を元にTV CMを関東と関西で大きく展開しました。その結果、放映前は17.1%だったのに対し、放映後には28.5%になり、想定を大きく上回る認知率の向上を確認できています。 

この結果を受けて、Chatworkでは今後もCMはシェアの拡大における最重要フェーズとして展開していく予定です。なお、各種KPIによる投資対効果もしっかりと管理し、マーケティング投資も行います。 

大幅な体制強化の実現

Chatworkは、大幅な体制強化の実現により、人員数の倍僧と非常に優秀な経営人材の採用に成功しました。プロダクト組織に加えてビジネス組織が強化されたことで、Horizontal × Vertical 戦略やProduct-Led Growth 戦略の加速につなげていけるでしょう。 

2022年12月期の業績予想 

2022年12月期の業績は、目標値を大幅に上回る売り上げ成長を実現できると考えられています。なお、2021年は前年と比べて+47.9%成長しており、目標達成に向けたペースを上回っています。

また、成長率に大きく関わるとされていた、ビジネス本部の機能向上を目標以上の結果を得られたことが業績に大きく関わるでしょう。さらに、TV CMの放映による認知率の大幅アップも業績に営業を与えると考えられます。

Chatworkは、フリーミアムモデルとセールスモデルを展開しています。中でもフリーミアムモデルは、無料で使えるプランを利用してもらい、その活用が進むと制限があるため、自動的に有料化へと誘導できるというものです。 

無料で使える範囲内での使いやすさのレベルが高く、自然と有料化につなげられるモデルである他、フリーミアムモデルは完全にオンラインです。一方で、セールスモデルは比較的ITに詳しくない方が利用しています。 

客層の異なるフリーミアムモデルとセールスモデルですが、ぶつかり合うことなく相乗効果を発揮し、Chatworkの成長を支えるエンジンとなっています。この2つの成長エンジンが広く進んでいるので、2022年12月期の業績も大きく成長していくことが予想できるでしょう。 

なお、KPIは社員の社員のモチベーションに大きな影響をもたらすものです。組織として利益を得られるだけでなく、個人が取る行動を明確化できるので、業務のスピーディー化につながります。 

Chatworkは従業員数の大幅な増加と同時に組織体制の強化を行っているため、離職率の低下を実現できているようです。目標設定の的確さと顧客を第一に考えた仕事をしたいという社員の考えが、成長率として目に見える形で得られているので、今後も多く成長していくでしょう。 

Chatworkの主なKPI

ここからは、Chatworkが実際に設定している主なKPIについて見ていきましょう。主な例として3つ紹介していくので、KPI設定の設定に悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。 

MRR

引用: 2022年12月期 第1四半期決算説明資料

ChatworkのIR情報で紹介されているのがARRなので、ここでは年間の数値を表すARRに関する図を貼っています。Chatworkでは、市場・競合の環境に応じて投資を行っていくことで、2年目以降のARRの向上を目指しています。この目標通りに進められれば、今後のARRの数値の向上も見込めるでしょう。

MRRについては、「SaaSの主要KPI【MRR】とは?概要計算方法を分かりやすく解説」の記事で紹介しています。

チャーンレート

引用: 2022年12月期 第1四半期決算説明資料

Chatworkは、決算説明資料でチャーンレート(解約率)について解説しています。Chatworkは解約率を0.4%程度という低い数値で保っている状態です。また、他ツールへの乗り換えコストも高いことも、高い定着率を実現につながっています。この状態が続けば、今後も安定していくと考えられるでしょう。

チャーンレートについては、「SaaSの主要KPI【チャーンレート】とは?種類や目安を解説」の記事からご参照ください。

ユニットエコノミクス

引用: 2022年12月 第1四半期決算説明資料

Chatworkのユニットエコノミクスの、明確な数値は公開されていません。しかし、解約率が低いことなどから、高い満足度を得ているのではと予想できます。なお、Chatworkは今後も各種KPIやLTV/CACにおける費用対効果を管理した上で、マーケティング投資を行っていくとしているので、水準は保たれると予想されます。 

ユニットエコノミクスについては、「SaaSの主要KPIと【ユニットエコノミクス】とは?計算方法や目安を紹介」の記事で解説しています。

まとめ

今回は、Chatworkの事業内容や主なKPIについて解説しました。Chatworkは、主にChatwork・助成金診断・電話代行・早期入金の4つの事業を行っています。また、テレワークの導入増加や働き方の多様性により、Chatworkの需要は高まるばかりです。

さらに、MRR・チャーンレート・ユニットエコノミクスなどがKPIとして設定されており、いずれも健全な状態を維持しています。この状態を今後も維持していけば、さらなる成長も期待できるでしょう。

監修者

広瀬好伸
株式会社ビーワンカレッジ 代表取締役社長

プロフィール

京都大学経済学部卒、あずさ監査法⼈にてIPO準備や銀⾏監査に従事。
起業後、公認会計⼠・税理⼠として、上場企業役員、IPO、M&A、企業再⽣、社外CFOなどを通じて600社以上の事業に関わる。

公認会計士、 IPOコンサルタント、社外役員として計4度の上場を経験。
株式会社i-plug社外役員、株式会社NATTY SWANKY社外役員。

成長スピードの早い企業におけるKPIマネジメントやファイナンス、上場準備や上場後の予算管理精度の高度化といった経験を踏まえ、KPIのスペシャリストとして、日本初のKPIマネジメント特化SaaS「Scale Cloud」の開発・提供やコンサルティングに注力。
従来のマネジメント手法を飛躍的に進化させ、企業の事業拡大に貢献中。

講演実績

株式会社セールスフォース・ドットコム、株式会社ストライク、株式会社プロネクサス、株式会社i-plug、株式会社識学、株式会社ZUU、株式会社あしたのチーム、ジャフコグループ株式会社、トビラシステムズ株式会社、株式会社琉球アスティーダスポーツクラブなどの主催セミナー、日本スタートアップ支援協会などの経営者団体、HRカンファレンスなどのカンファレンス、関西フューチャーサミットなどのスタートアップイベントなどにおける講演やピッチも実績多数。

論文

『経営指標とKPI の融合による意思決定と行動の全体最適化』(人工知能学会 知識流通ネットワーク研究会)

特許

「組織の経営指標情報を、経営判断に関する項目に細分化し、項目同士の関連性を見つけて順位付けし、経営に重要な項目を見つけ出せる経営支援システム」(特許第6842627号)

アクセラレーションプログラム

OIH(大阪イノベーションハブ)を拠点として、有限責任監査法人トーマツ大阪事務所が運営するシードアクセラレーションプログラム「OSAP」採択。

取材実績

日本経済新聞、日経産業新聞、フジサンケイビジネスアイ、週刊ダイヤモンド、Startup Times、KANSAI STARTUP NEWSなど。

著書

『飲食店経営成功バイブル 1店舗から多店舗展開 23の失敗事例から学ぶ「お金」の壁の乗り越え方』(合同フォレスト)

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