Case Study

導入事例

株式会社souco

自チームの数字しか把握できない文化や仕組みにメスを入れる

  • 複数のツールからデータをその都度抜き出して整合性を突合する「不」の解消
  • データプール場所の集中によりスピーディな経営判断を実現
  • 各チームが気にすべき数字の範囲を拡大。より大局観を掴みやすい仕組みへ
株式会社souco
代表取締役 中原 久根人 様

B to Bの倉庫シェアリングサービスを行う物流スタートアップのsouco。
日本全国1300拠点以上の倉庫データベースを活用し、主に段ボールやパレット等、規格化された荷姿での短期保管需要に対応するほか、輸送需要にも対応する物流プラットフォームを展開。2021年版「すごいベンチャー100」にも選出。

導入前の課題

課題は複数ありますが、大きくは2つあります。
1つ目は、KPIがMECEに設計できていないという点でした。KPIツリーはあるものの、例えば1つのLPから複数の異なるプロダクトに問い合わせが入ったりしており、どのKPI項目を起点とするのか、などが誰も腹落ちできていなかったんですよね。
川の水が上流から下流にスムーズに流れているようなKPIツリーを設計できていなかったので、全体の流れがいまいち分からず、結局「誰が」「何のために」「どんな活動をすればいいのか」が分からない状態でした。KPI項目ごとの因果関係があいまいな状態になってしまっていたため、事実上運用ができていませんでしたね。

2つ目は、 事業の成長を明確に数値で表しづらいという点でした。そこには組織の問題と管理方法の問題とがあります。
組織側については、チームごとに切り出したKPIが縦割り管理となっているため、横断的に数字を繋げて集約しようとすると、数字の入力頻度やKPIの粒度や定義がチームごとに異なっており、チーム間の整合性をとるのがものすごく大変です。また、ビジネスサイド側のKPIに加えPL側も集約しようとすると全く終わらない作業になってきます。
管理方法については、そもそも管理しているツールがバラバラなので集約しづらい。A事業部はハブスポット、B事業部はGoogle Analytics、C事業部はリダッシュ、D事業部はマネーフォワードKESSAI、というようにデータの置き場所が複数のツールにまたがっているので、ひとつに繋げようとしても時間がかかりすぎていました。

その弊害として、やはり事業全体が見えづらくなるんですよね。チーム単位や部署単位で見ると成長しているように見えます。しかし、事業全体で成長しているといえるのか?という問いには「多分」としか答えられなくて、それは事業全体の数字が明確に表せないことに起因していると考えていました。

 

導入した目的

目的の1つは、必要データが全部統合されて1カ所で見れるということです。前述したとおり、複数のツールからデータを取得している件に加え、弊社の会議運営に応じた情報が集めづらいということがあります。
事業部の会議では月毎のデータがチームごとにパワーポイントに貼り付けられて報告されますが、取締役会では6ヶ月単位のデータが必要です。
現場から報告された月次のパワーポイントから、必要情報だけを抜き出して取締役会用に成形するのも煩雑ですし、現場から提出された資料だけでは足りない時、どのツールからどう操作をしてどのようにデータを抽出すればいいのかが分からないため、担当者にわざわざ依頼しなければいけないのもとても面倒です。
1つのツールに全チームのデータを集約し、誰でも必要な情報を必要な時に取り出すことができれば、工数はものすごく軽減されると思っていました。

2つ目は、事業全体のデータ集約とKPIの可視化による現場の目線アップですね、現在どういう状況かの一例をお伝えします。
マーケティングチームが50件リードを獲得します。リードに対して一定のフィルタリングをかけて、30件をセールスに供給します。その30件を母数としてセールスチームは商談をするのですが、そもそもの母数が50件あったことを知りません。
さらに、受注と売上計上との間のリードタイムが数ヶ月あることは珍しくないのですが、「今月の成約は何件?」と聞くと、「今月受注した案件」と「数ヶ月前に受注して今月売上計上できた案件」が混ざって報告されるため、新規受注した数が分かりません。また、受注した案件をさかのぼって、いつのマーケ施策で獲得したリードだったのか、が分からないので有効なマーケ施策を特定するにも至っていません。

上記のような状況は、「部署ごとに独立しすぎた数値管理」と「事業全体として重要な数字やKPIを現場が把握できていない」ことから起こると感じています。そのため、データを集約し誰もが数字の関連性を同じように理解できるようにすることが急務だと考えていました。

導入の決め手

実は他のツールの検討は一切していませんでした。元々「KPIをしっかりやろう」と社内で話していたタイミングでもあり、打ち合わせさせていただいた中で弊社のインサイトにドンピシャだと感じたことが最大の決め手です。
営業から「リソースがないから人員を増やしてほしい」というオーダーが出ますが、実際どのKPIをどうするからどれくらいのリソースが不足している、という会話ができないので、全体のリソースの中から営業に回すという判断ができないのです。全体のボトルネックが本当に営業なのか、という判断がテンポよくできないんですね。
こういったものがチリツモで多くなることにより、経営判断が遅れてしまうことを長い間危惧しており、解決できそうなものにようやく出会えた、という感覚でした。

Scale Cloudを使ってやりたいこと

まずは経営ボードメンバーが、事業全体の数値をしっかり把握し経営判断のスピードを高めていくことがSTEP1だと思っています。マーケやセールスを横断した数字が常に把握できることによって、事業計画策定や投資家への説明などもかなりしやすくなると期待しています。

その上で、STEP2としてマネージャー層も経営メンバーと同じ視点で物事を考えられるようになれたら理想です。チームでの施策判断なども、事業全体の数値や現在の重要ポイントを把握しながら決めるので、現状では現場だけで決め切るというのは難しいです。

しかし、言い換えれば、それらを把握し理解していれば決められるということでもあります。チーム内の数字しか見えていないマネージャーにも、事業全体を横断した数字を共有できるようになれば成長スピードが飛躍的に向上するのではないか、という期待もあります。結果として、蓋然性の高い企業へと私たち全員が成長していけると最高ですね。

会社名 株式会社souco
代表者 代表取締役 中原 久根人 様
設立 2016年7月
所在地 東京都千代田区麹町 1-4-4 LIFULL HUB
事業内容 物流プラットフォーム。
「ソフトウェア事業」「シェアリング事業」「業界特化型サービス開発事業」の3つを展開。
ホームページ https://www.souco.space/