導入事例

既存事業を伸ばしつつも新規事業の道筋が見えるので、会社全体のバランスを保ちながらチャレンジができる。
- 事業単体ではなく、相乗効果を狙った経営が見据えられるようになった。
- 投資を進めながら、未来に向けてリスクを抑えながらも確実にお金を生み出すことを考えられるようになる。
- 自分の事業にとことん向き合い、深堀りしていく視点を得られる。
日本の‘モノづくり’を担う製造業や建設業の現場に、業務の効率化を図るためのITシステムは欠かせないものになってきている。
株式会社Mountain Gorillaでは、製造現場や検査現場で行う帳票入力をタブレット入力に置き換え、製造工程管理や在庫管理など、煩雑な業務の効率化を図るシステムを受注・開発している。
現場を知り尽くしたシステム開発会社である株式会社Mountain Gorillaが、既存事業であるエンジニア派遣と受託開発の次に、新規事業として自社製品の開発・販売をスタート。
事業立ち上げ時に、Scale Modelトレーニングをどのように取り入れ、今後活かしていくのか?その辺りを代表の井口一輝氏に詳しく伺うことができた。
Scale Modelトレーニングを受け始めた頃の貴社の状況は?
我が社にはITシステムの受託開発と、エンジニア派遣という2つの柱となる事業があります。
それらを成長させながら新たな成長軸として、自社サービス製品の開発という新規事業をスタートしました。
事業の新規立ち上げに際し、「ヒト・モノ・カネ」をどこにどのくらい投資して、どのくらいのリターンが得られるのかを模索している段階で、試行錯誤を繰り返しながらも道筋が見えていない状況でした。
普通に考えると、企業としては新たな成長軸である自社製品に投資をすればいいのだと思うのですが、既存事業も成長させながら、なおかつ、その投資が適切なのかどうかの判断基準を持ち合わせていなかったんです。
新規事業と既存事業へのリソース配分のバランスに課題があり、改善しようにも判断できないでいました。
Scale Modelトレーニングを受ける前に指摘されたことは、直近の利益を追いかけすぎて、未来志向になっていない、3年から5年のスパンで経営ができていない、という現実でした。
それで、いままでのPL経営ではなく、ROICを意識していかねばならないと気づき、Scale Modelトレーニングを受けることに決めたんです。
Scale Modelの知識やノウハウをどのように活用しているか?
新規事業へのヒト・モノ・カネは、どこにどれだけどういう風に投資すれば、どれくらいのリターンが得られるのか、仮説を立ててPDCAを回していきます。
トレーニングを受けて分かったことは、このまま続けていくと投資に対してのリターンが少なく、ビジネスモデルを変えていかなければ、投資し続けるのは危険だということ。
Scale Modelトレーニングを受けないまま、今の状況で進めていたら、本当に危なかったです。
トレーニングの中で、ビジネスモデルを分解するワークがあります。
実際にやってみたら、新規事業は自分が想定したよりも投資に対する利益率が低く、一方で既存事業は投資に対する利益率が高いことが分かりました。
想定外でしたが、そこも知ることができて良かったです。
そこで、既存事業から新規事業に、そのまま「ヒト・カネ」をシフトしようとしていたところを、ビジネスモデルを根本から変えました。既存事業のほうは、投資に対する利益率が高い受託開発事業のスタッフを8人から15人に増やし、キャッシュを生み出す仕組み作りをすることに。新規事業のほうは、借り入れをして新しい人員を増やすことにしました。
つまり、投資に対する利益率の高い既存事業でキャッシュを確保しながら、新規事業が目標利益を生み出すところまで引っ張っていくという戦略に変わりました。
1年計画から3年計画に事業構想を修正したことで、適正に投資を進めながら、最初は投資に対する利益率が低かったとしても、未来に向けてリスクを抑えながらも確実にお金を生み出すことをやっていく、という考えに変わったわけです。
3つの事業をバラバラに考えがちでしたが、トレーニングを受けたことで、事業単体ではなく、相乗効果を狙った経営が見据えられるようになりましたね。僕自身は、新規事業の道筋が見えたことで、安心して自信を持って経営ができるようになりました。
Scale Modelトレーニングを受けた感想と、印象に残っているScale Modelの学びは?
恥ずかしながら、それまでは事業や収益などの目先のことしか考えてなくて、経営というものが全然できていなかったなという印象です。
ROIC(投下資本利益率)という考え方を全く持っていなかったために、直近の売上や利益しか見えていなかったんですね。経営は奥が深くて面白いと、今さらながら感じました。
トレーニングで印象に残っていることは、キャッシュ・フローを細かく見て、投資の適正化までを考えるやり方です。
アマゾンの事業を分解するような実例の練習問題が多くあり、実例を知りながらも自社のケースに当てはめて考えるという、ケーススタディが参考になりました。
トレーニングはマンツーマンなので、自分の会社に合わせたものを受けられるのがメリットだし、ありがたいですよね。
どんな企業がScale Modelトレーニングに向いているか?
自分で立ち上げたビジネスで、既存事業を伸ばしながら新規事業を伸ばしたい、という2軸で会社を成長させたい経営者に向いています。
2代目3代目で、新規事業を展開したいという経営者にも向いているのではないでしょうか。
もちろん、将来は事業を大きくするつもりの企業、そのスタートアップの時期に出会えるとベストだと思います。
Scale Modelを効果的に取り入れるうえでポイントはありますか?
トレーニングを受ける上でのポイントは、ビジネスモデルを数字で因数分解する作業を自分の手でやることですね。
例えば、システム開発のコストを「開発費」と1つのくくりにするのではなく、リサーチ、プログラミング、テスト、検証・・・といった細かい工程ごとのコストに分解します。
こういう作業は自分でやらない人が多いんじゃないかと思いますが、誰かにやらせるのは良くないです。売上もコストも、個別に細かく分解してみてください。
利益率を上げるには、分解した工程ごとのコストの中にカットできるものはないのか、逆に増やしたほうがいいものはないのか。事業ベースで利益が出ているのか、出ていないのか。
未来の計画に対して、いつの時点で利益が改善するのか、キャッシュを生み出すのか。そういうことを自分で計算して数字を出すことがポイントだと思います。
トレーニングを一つのきっかけに、自分の事業にとことん向き合い、深堀りしていく視点を得られます。深く細かく知ることができるからこそ、経営者としての自信にもなりますし、経営判断にも今後のビジョンにもつながっていきます。
Scale Modelに基づいた経営ができる参謀がいればいいのですが、現実的には中小企業やベンチャー企業は持つことができません。ですから、「スキルは経営者自身が持ちましょう」というコンセプトのトレーニングです。時間がかかりますし、慣れないので大変な部分もあるんですが、やったことで大きな気づきを得られます。課題が具体的に見えることで対策を施したり、方針を変えたりもできます。
新規事業の見通しが具体的に立ち、経営者として成長させてもらったと感謝しています。
今後のビジョンをお聞かせください。
会社を飛躍させるための土台づくりにトレーニングで得たものを活かしていきます。
今回の新規事業の実績を追いかけて会社の仕組みとして作り上げ、それを元にもっと積極的な投資や経営をやっていきたいです。
システム開発の会社なので、仕組み化すれば、あとは自動で投資回収ができるようになります。
経営指標を社員たちにもシェアして、社内で日々語るようになれば、会社自体が一皮むけて強くなるかなと期待もしています。
今回のトレーニングで、事業展開の土台づくりができました。将来は100人、100億、100年企業を目指しますよ。
会社名 | 株式会社 Mountain Gorilla |
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代表者 | 井口 一輝 |
設立 | 2014年11月7日 |
所在地 | 大阪市西区立売堀 2-1-9 日建ビル6階 |
事業内容 | ・自社製品 サービスの開発 販売 ・ODM 共同開発 ・エンジニアの請負 派遣 |
ホームページ | https://mountain-gorilla.co.jp/ |