導入事例

ファイナンスに頼らなくてもキャッシュ・フローを生み出せるビジネスモデルを構築できる。
- 売上、コスト、お金の3つの視点でKPIを管理できるようになり、会社全体のお金の流れがつかみやすくなる。
- 幹部や社員が経営指標を常に見えている状態がつくれ、予算を含め権限移譲もしやすくなる。
- アクセルを踏むか弱めるかの判断もつきやすくなる。
IT の発展と採用市場の変化に伴い、近年多くのWeb採用ツールが登場している。その中でクラウド型採用サイト作成システム「採用係長」を運営し、中堅・中小企業の採用支援を行っているのが株式会社ネットオンだ。
「採用係長」は利用無料、わずか2分で自社採用サイトを作成し、応募者情報や採用状況の管理まで行えるため、販売、警備、ドライバー、介護など、ITによる採用管理が機能しにくいサービス業からも広く支持を集めている。
登録事業者数はリリース後1年で7,000超、2018年6月には1億円のエクイティ・ファイナンスを実現し、近い将来の上場も視野に入れる株式会社ネットオン。
今回は倍速成長の組織経営にScale Modelトレーニングがもたらす効果について、代表取締役の木嶋諭氏に話を伺った。
Scale Modelトレーニングを受け始めた頃の貴社の状況は?
以前から売上とコストに関するKPIは持っていましたが、資本のKPIが少しゆるかったため、全体のお金の流れが掴みにくいという課題がありました。
当社はベンチャー企業なので、常にいろんなチャレンジをしています。
しかし現金がないと黒字倒産になりかねないため、ファイナンスをしなくてもビジネスを大きくしていくことでキャッシュを生むようなビジネスモデルを構築したいと考えていました。
また、それまでのKPI管理では売上、利益、キャッシュがそれぞれどれだけあるか、という結果指標に寄りがちだったこともあり、売上、利益、キャッシュのそれぞれを増やすには何をするべきなのかという先行指標のKPIを作る必要性も感じていました。
さらに昨年、ベンチャーキャピタルから出資を受け、ステークホルダーや社会への責任が大きくなったこともあり、より正確なマネジメントの必要性を感じてScale Modelトレーニングを受けました。
Scale Modelを学んでからの、社長の経営手法や社長自身の変化
資本効率を考える重要性を認識できたことです。
以前は売上とコストのKPIをメインにしていましたが、トレーニングで売上、コスト、資本(お金)、この三つの視点でKPIを管理する方法を教えていただき、全体のお金の流れが掴みにくいという課題が解消しました。
また、売上に関するKPIだけでなく、コストやお金に関するKPIも洗い出して、それらを紐づけていくことで、全体としてのROIC(投下資本利益率)やキャッシュの流れがシミュレートしやすくなりました。
特にお金のKPIについてはビジネスモデルを作るうえでも非常に役立ちました。事業計画上、たとえば代理店からの入金でキャッシュの余裕が生まれる仕組みができないかなと考えていたんです。
お金が入ってくるのは早ければ早いほどいいわけですが、視点を変えるだけでビジネスモデルの中にキャッシュを生み出す仕組みを作ることができる。
トレーニングの中でAmazonやメルカリの事例を通して自社にあてはめながらレクチャーしていただき、キャッシュ・インを早くする方法や、それをすることの全体への影響がわかるようになりました。
また、投資家に対しても、お金のKPIも含めたアピールができれば、自社のビジネスモデルや今後の展開をよりロジカルに説明ができて、より良い調達ができる可能性が高まりますし、お金にゆとりができれば選択肢も広がります。
特に当社のようなSaaS型ビジネスモデルは先行投資が必要不可欠です。ファイナンスをしなくてもビジネスモデルの中でお金を生み出すことができれば、エクイティ・ファイナンスのみならず、デット・ファイナンスででもさらに調達できるようになる。
資金にゆとりができれば、また次の投資もできる。そこにどれだけお金が必要なのか、常に見えている状態を作ることで、事業が伸びていくプロセスをはっきり描くことができました。
また、デット・ファイナンスについて言えば、銀行が融資をする際に何をみているか、という視点を得られたことも大きかったです。
監査法人で銀行担当をされていたというバックボーンがあるからこそできるアドバイスは、非常に役に立ちました。
Scale Modelトレーニングを受けた感想と、印象に残っているScale Modelの学びは?
キャッシュ・フローをビジネスモデルから考えるところまで広義化できたことも大きな収穫でした。キャッシュ・フローは多くの会社が抱える課題ですよね。
売った後いかに早く回収するか、という狭い範囲で考えるのではなく、そもそもビジネスモデルの段階で、キャッシュを早くもらう仕組みが作れると強い。
キャッシュ・ポイントを上流に持ってくるというストーリーをデザインし、お客様にも提案できるイメージができました。
また、売上・コスト・お金、それぞれの結果とプロセスの指標を一括管理し、常にリアルタイムに見えている状態がつくれると、予算を含めた権限移譲もしやすくなると感じました。
この点でもROICツリーは本当に役立ちますね。この階層は誰に任せる、という感じでやりやすいですし。そこに人事評価制度を紐づければ、現場での意思決定もよりスムーズに行えるようになるのではないかと思います。
もう一点、当社はSalesforceを使って売上の結果指標とプロセス指標を管理していますが、それだけではどうしても会社としての全体像が見えてきません。
そこにコストとお金、それぞれの結果指標とプロセス指標の視点を加えると、全体像が一目で把握できることには驚きました。今のまま行くと結果がこうなる、という姿が、常にリアルタイムで確認できれば、アクセルを踏むか弱めるかの判断もつきやすいですよね。
Scale Modelトレーニングでの学びを活かせば、Salesforceをより有効に使えると感じました。
どんな企業がScale Modelトレーニングに向いているか?
経営者と幹部が共通言語をもつことでマネジメントを強化したいベンチャー企業には特におすすめです。
成長スピードが早くなればなるほどマネジメントの難易度が上がっていくので、幹部は経営数字を全員同じように理解できたほうがいい。
どんな素晴らしいプランを考えても、幹部の理解がバラバラだとアクションもバラバラになってしまうので。いずれにしても経営者と幹部が一緒にトレーニングを受けることで、効果は倍増すると思います。
あとは、成長しようという心意気がある経営者は全員受けたほうがいいです。
経営数字を分解して考えられないと社内に落とし込みができませんし、資金調達の際にも十分な説明ができず、チャンスを掴めないということも起こり得ます。
基本的に銀行や投資家は、数字に強い企業を好みますから。数字に弱いなら、だからこそ学んでいるという姿勢を伝えることは大事でしょうね。
会社を成長させたいが売上の方程式とコストの方程式が説明できない、そんな経営者の方には、まずは受けましょうとお伝えしたいです。
今後のビジョンをお聞かせください。
当社のミッションは「すべての企業に最新の採用力を提供する」「採用力をアップデートして、企業と人の出会いをたくさん作る」こと。
今後ひとつでも多くの店舗・事業所に「採用係長」をはじめとした当社のサービスを使ってもらえるよう、力を尽くしていきます。
まず「採用係長」のバージョンアップにはどんどん取り組んでいきます。
採用ツールがありすぎて選べない、使いこなせない、というお客様の困りごとを一つひとつ解決し、安心して利用していただけるよう、サービス体制の強化を図っていきたいですね。
また、企業としてより柔軟な成長をすべく、Scale Modelを活用して、誰もが意思決定できる環境を社内につくりたいです。
社長だけが集約された資料やデータをもとに経営判断するのではなく、幹部や現場が経営判断できるようにできたらいいなと。
Scale Modelトレーニングでの気づき学びを大いに活用し、これからの日本の経済をハッピーにする組織をつくっていきます。
会社名 | 株式会社ネットオン |
---|---|
代表者 | 代表取締役 木嶋 諭 |
設立 | 2004年10月1日 |
所在地 | 大阪オフィス(本社) 大阪市北区曾根崎新地1-1-49 梅田滋賀ビル4階 |
事業内容 | ・採用Webマーケティング事業 ・Webサービス事業 |
ホームページ | https://neton.co.jp/ |
